パーフォレーション

パーフォレーションとは

パーフォレーション（Perforations）とは、映画フィルムや写真フィルムの縁に沿って、一定の間隔で開けられた細長い穴のことを指します。この穴は、フィルムをカメラや映写機などの機器内で正確に送るために不可欠な役割を果たします。フィルムの種類やフォーマットによって、パーフォレーションの形状、数、配置は異なり、それぞれの映像表現を支える重要な要素となっています。

フィルムの種類とパーフォレーション

以下に、主なフィルムの種類ごとのパーフォレーションの特徴を説明します。

8mmフィルム

8mmフィルムには、主に以下の3つのフォーマットが存在します。

シングル8 / スーパー8: フィルムの片側に、フィルムの走行方向と平行にパーフォレーションが連続して開けられています。1フレームあたり1パーフォレーションです。
ダブル8 (レギュラー8): フィルムの片側に、フィルムの走行方向と垂直にパーフォレーションが連続して開けられています。シングル8やスーパー8に比べて画面サイズが小さくなるのが特徴です。こちらも1フレームあたり1パーフォレーションです。

16mmフィルム

16mmフィルムでは、フィルムの走行方向に平行にパーフォレーションが開けられています。

両目 (ダブルパーフォレーション、スタンダード16mm): フィルムの両側にパーフォレーションが開けられています。1フレームあたり1パーフォレーション。
片目 (シングルパーフォレーション、スーパー16mm): フィルムの片側にパーフォレーションが開けられています。1フレームあたり1パーフォレーション。

35mmフィルム

35mmフィルムは、映画撮影で最も一般的なフォーマットです。フィルムの両側に、走行方向と平行にパーフォレーションが連続して開けられています。1フレームあたりのパーフォレーション数は、フォーマットによって異なります。

テクニスコープ: 1フレームあたり2パーフォレーション
35mmスタンダード / シネマスコープ / ワイドスクリーン: 1フレームあたり4パーフォレーション
ビスタビジョン / スーパーテクニラマ70: 1フレームあたり8パーフォレーション

また、写真フィルムで一般的な135[[フィルム]]は、元々4パーフォレーションの35mmフィルムを流用したものです。

ライカ判 (24×36mm): 1フレームあたり8パーフォレーション
ハーフ判 (24×18mm): 1フレームあたり4パーフォレーション

70mm[[フィルム]]

70mm[[フィルム]]は、大画面での上映を目的としたフォーマットです。フィルムの両側に、走行方向と平行にパーフォレーションが連続して開けられています。

スーパーパナビジョン / ウルトラパナビジョン: 1フレームあたり5パーフォレーション

IMAX

70mm[[フィルム]]を横送りにし、1フレームあたり15パーフォレーションとして、1フレームを約3倍の高精細度で記録するシステムです。このシステムは、特にIMAX15/70として知られています。

パーフォレーションと映像の関係

パーフォレーションは、単にフィルムを送るための穴ではなく、映像のフォーマットを決定する上で重要な役割を担っています。パーフォレーションの数や配置が、フィルムのフレームサイズ、アスペクト比、さらには映像の品質にも影響を与えます。例えば、1フレームあたりのパーフォレーション数が多いほど、より大きな画面や高精細な映像を実現できます。

パーフォレーションに関するその他の情報

ニコンI型とパーフォレーション

日本光学（現ニコン）の最初の製品である「ニコンI型」では、24mm×32mmのフレームを1コマとし、1フレームあたり7つのパーフォレーションを採用していました。このフォーマットは「ニコン判」または「ニホン判」と呼ばれましたが、アメリカの現像機での自動裁断に合わず、早期の改良を迫られる原因となりました。この例からも、パーフォレーションが国際的な規格との互換性を保つ上で重要な要素であることがわかります。

まとめ

パーフォレーションは、映画フィルムや写真フィルムにおいて、映像を正確に記録・再生するために不可欠な要素です。フィルムの種類やフォーマットによって、その配置や数は異なり、それぞれの映像表現を支える重要な役割を果たしています。パーフォレーションについて理解を深めることで、より深く映画や写真の世界を楽しむことができるでしょう。

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