ドン全大軍

ドン全大軍（ドン共和国）の成立と消滅

ドン全大軍、またはドン共和国は、ロシア帝国崩壊後のロシア内戦中に、ドン・コサックによって構成された反ボリシェヴィキ国家です。1918年5月18日、ドン・コサックの会議であるクルークで独立が宣言されました。この独立宣言により、5月10日にはドン・ソビエト共和国はドン軍管州から排除されました。ドン共和国という名称は1990年代になってから用いられるようになった名称です。


ドン共和国は、ドン地域を領土とし、ノヴォチェルカースクを首都とすることを宣言しました。その行政区画は、現在のロシア連邦のロストフ州とヴォルゴグラード州、そしてウクライナのルハンシク州とドネツィク州にまたがる10の管区（オークルク）に分割されていました。しかし、内戦での赤軍との戦いに敗北し、白軍の敗退が濃厚になると、ドン共和国は消滅しました。ドン・コサックたちは離散し、トルコやその他の地域へと逃れていきました。

ソビエト連邦崩壊後の再建の試み

1991年10月のソビエト連邦崩壊の過程で、ドン・コサック共和国はノヴォチェルカースクを首都として、ロシア連邦に従属する共和国として再宣言されました。さらに、1991年11月には、新しく宣言された南ロシア・コサック共和国連合に所属することも宣言されました。しかし、これらの政治的な動きは、いずれも国際的な承認を得ることはなく、宣言された領域はロシア連邦に編入されることになりました。

現在のドン・コサック

現在、ドン・コサックは、Viktor Vodolatskiy氏に率いられており、その会員数は親族を除いても約13万5千人を数えています。また、ウクライナには、Nikolai Kozytsyn氏に率いられた複数の非政府組織が登録されているとの情報もあります。

ドン全大軍の歴史的背景と影響

ドン全大軍は、ロシア内戦という激動の時代に生まれた、コサックの自治を求める動きの象徴でした。短期間で消滅したものの、その歴史は、コサックの伝統とアイデンティティを語る上で重要な要素となっています。また、その地域は現在のロシアとウクライナにまたがっており、複雑な歴史的背景を持っています。ドン全大軍の歴史は、ロシアとウクライナの歴史を理解する上で、重要な意味を持っています。

関連事項

ドン軍管州
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クバーニ人民共和国
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