ドーセットシャー (重巡洋艦)

ドーセットシャー (HMS Dorsetshire, 40)

ドーセットシャーは、イギリス海軍のカウンティ級重巡洋艦の最終型で、特に重巡洋艦「ノーフォーク」とともに運用されたことでも知られています。本艦の名前はイングランド南西部の古名であるドーセット州に由来しています。彼女は1941年に著名な戦艦「ビスマルク」を撃沈する一因となり、その戦功は今も語り継がれています。

艦歴

1941年までの航跡

ドーセットシャーは1927年に起工し、1929年には進水、1930年に就役しました。初期の配備は大西洋艦隊において行われた後、アフリカ艦隊や中国艦隊にも配属されました。特に1935年には日本を訪れる機会があり、その際には多くの港に寄港しました。日本滞在では、艦長が高松宮親王を招いた歓迎会が開催されるなど、国際交流も行われました。

1939年に第二次世界大戦が勃発すると、ドーセットシャーはセイロン島を拠点に活動を展開し、様々な任務に従事し続けました。ドイツ海軍との接触が増える中、ドーセットシャーは南大西洋での船団護衛任務にも投入されました。

ビスマルク追撃戦

1941年5月、ドイツ海軍のビスマルクが大西洋に出撃します。この際、イギリス海軍はビスマルクの撃沈に全力を挙げ、ドーセットシャーも追撃任務に関与しました。5月26日、PBYカタリナ飛行艇がビスマルクを発見し、ドーセットシャーは護衛任務を外れて急行しました。5月27日には、ドーセットシャーがビスマルクに対して魚雷攻撃を行い、ついにビスマルクを沈没させることに成功しました。この戦闘では、ドーセットシャーは生存者を救助し、その後は修理のためにイギリス北東部へ戻りました。

沈没

1942年4月、ドーセットシャーは日本海軍の襲撃に備えるためインド洋を航行していました。しかし、4月5日、日本の機動部隊による急降下爆撃に遭い、ドーセットシャーは激しい攻撃を受けて沈没しました。敵艦からの爆撃により、艦は最初の攻撃で命中を受け、その後の攻撃により次第に損傷が増加しました。最終的には、234名の乗組員が死亡し、多くの生存者がサメのいる海で漂流することとなりました。

ドーセットシャーの沈没は、当時のイギリス海軍にとって大きな痛手であり、艦の遺産や歴史は現在でも記憶されています。また、ドーセットシャーの生存者が日本軍によって展示品として扱われたことも、歴史的な背景を物語っています。ドーセットシャーは、その戦果と運命によって、第二次世界大戦の重要な一幕を成し遂げた艦艇として今なお語り継がれています。

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