ナイマンタイ

ナイマンタイ

ナイマンタイ（? - 1348年）は、14世紀前半に大元ウルスに仕えたモンゴル帝国の功臣、ムカリの一族であるジャライル部出身の領侯（ノヤン）です。
漢文史料では乃蛮台と表記されます。

生涯

ナイマンタイは、ムカリの孫であるアルキシュの孫として生まれました。アルキシュはムカリの地位を継いだボオルの息子でしたが、兄弟たちに比べると目立つ存在ではありませんでした。
しかし、元代中期の内乱でバアトル家の勢力が弱まると、アルキシュ家が台頭し、ナイマンタイの父クスクルがムカリ家当主の地位を継承しました。
兄ドロタイは天暦の内乱で上都派として活躍しましたが敗北し処刑されました。ナイマンタイはエル・テムルら大都派と結び、地位を高めました。

前半生

ナイマンタイは、果敢で射撃に長けていたことで知られており、カイドゥ・ウルスとの最前線に派遣されました。
1301年のテケリクの戦いでは武功を挙げ、宣徽院使に任じられました。1303年には嶺北行省の右丞に任じられ、軍の兵糧横流し事件の際に民への負担を減らすよう尽力し、感謝されました。
1322年には甘粛行省の平章に任じられ、糧食輸送ルートの改善を提案し、経費を削減しました。

高官時代

1328年に天暦の内乱が勃発すると、兄ドロタイは上都派につきましたが、ナイマンタイはエル・テムルとの関係から地位を向上させました。
クトクトゥ・カアンの短い在位期間中には、チャガタイ・ウルスへの使者に選ばれました。中央アジアから戻った後は、陝西行省の平章に任じられ、飢饉対策に尽力しました。
1330年には上都留守に任ぜられ、宣寧郡王に封ぜられるなど、異例の昇進を遂げました。

国王時代

1338年、ナイマンタイはムカリ家当主の国王の称号を得ました。辺境の安定に貢献した功績により、手厚い待遇を受けました。
1342年には遼陽行省の左丞相に任命されましたが、高齢を理由に引退しました。引退後も、軍士のために物資を供給するなど、貢献を続けました。
1348年に死去し、魯王に追封されました。子孫は遼陽方面に拠点を持ち、ナガチュは明朝と対抗する勢力となりました。

子孫

ナイマンタイには、エセン・ブカとコンクル・ブカという2人の息子がいました。
長男のエセン・ブカは、ケシクテイに仕え、監察御史などを歴任し、元末明初の混乱期には遼陽地方に独自の基盤を築き、その勢力はナガチュに受け継がれました。
次男のコンクル・ブカについては、ほとんど記録が残っていません。

ジャライル部アルキシュ系国王ムカリ家

グウン・ゴア
左翼万人隊長・国王ムカリ
左翼万人隊長・国王ボオル
アルキシュ
クスクル
国王ドロタイ
国王ナイマンタイ
中書右丞エセン・ブカ
国王ナガチュ
コンクル・ブカ

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