ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞 (1938年)

1938年12月15日、第10回ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞の受賞作品が発表されました。この賞は、アメリカ合衆国の映画批評家団体であるナショナル・ボード・オブ・レビューが毎年選出する権威ある賞です。

今回の授賞式では、作品賞には10作品がノミネートされました。その中には、のちに名作として語り継がれる作品が多数含まれています。イギリス映画『城砦』とウォルト・ディズニー・プロダクションによるアニメーション映画『白雪姫』は、この時代の映画界を代表する作品として、当時大きな話題を呼びました。
他にも、アメリカ映画『黒蘭の女』や『三人の仲間』、そしてイギリス映画『Owd Bob』や『South Riding』など、多様なジャンルの作品がノミネートされました。それぞれの作品が、高い評価を獲得し、映画史に名を刻むこととなります。

外国語映画賞では、フランス映画『大いなる幻影』と『舞踏会の手帖』、イギリス映画『バレリーナ』、ソビエト映画『Pyotr pervyy I』と『Professor Mamlock』、そしてフランス映画『La guerre des gosses』がノミネートされました。これらの作品は、それぞれの国の文化や社会情勢を反映し、国際的な評価を獲得する作品群でした。

最優秀演技賞は、様々な映画で活躍した数多くの俳優たちが受賞しました。アメリカ映画『素晴らしき休日』のリュウ・エアーズ、『汚れた顔の天使』のジェームズ・キャグニー、『カスバの恋』のジョセフ・カレイア、『四人の姉妹』のジョン・ガーフィールド、『少年の町』のスペンサー・トレイシーなど、ハリウッドを代表する俳優たちが名を連ねています。

また、ヨーロッパ映画界のスターたちも受賞しました。フランス映画『大いなる幻影』に出演したピエール・フレネー、ジャン・ギャバン、ディタ・パルロ、エリッヒ・フォン・シュトロハイム。フランス映画『舞踏会の手帖』に出演したピエール・ブランシャール、アリ・ボール、ルイ・ジューヴェ、レイミュなど、ヨーロッパ映画界を牽引してきた俳優たちが受賞しました。

さらに、イギリス映画『ピグマリオン』のウェンディ・ヒラー、『マリー・アントワネットの生涯』のロバート・モーレイ、『三人の仲間』のマーガレット・サラヴァン、『Owd Bob』のウィル・ファイフェ、『Vessel of Wrath』のチャールズ・ロートンとエルザ・ランチェスター、『South Riding』と『城砦』のラルフ・リチャードソン、『The Adventures of Chico』のチコ、『城砦』のロバート・ドーナットなど、多様な国の俳優たちが受賞しました。

第10回ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞は、1930年代後半の映画界を代表する作品と俳優たちを称える、歴史的な出来事でした。これらの受賞作品は、映画史に大きな足跡を残し、現在でも高い評価を得ています。受賞者たちは、その後の映画界においても重要な役割を担い続け、映画史に名を残すことになります。この受賞結果からは、当時の映画界のトレンドや、各国の映画制作事情などが垣間見れる、重要な資料となっています。

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