ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞 (2012年)

第84回ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞：2012年映画界を彩った作品と才能

2012年12月5日、第84回ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞が発表されました。本賞は、アメリカ合衆国の映画批評家団体であるナショナル・ボード・オブ・レビューが、その年に優れた映画作品や映画関係者に贈る権威ある賞です。

この賞では、その年の優れた映画作品を様々な角度から評価し、作品賞を始め、監督賞、主演・助演男優・女優賞、そして外国映画賞、ドキュメンタリー映画賞、アニメ映画賞など、複数の賞が設けられています。さらに、才能ある若手俳優や監督を表彰するブレイクスルー賞や、特定の業績を表彰するスポットライト賞なども存在します。

作品賞と主要部門受賞者

2012年の作品賞は、アメリカ海軍特殊部隊によるウサマ・ビン・ラーディンの殺害作戦を描いた『ゼロ・ダーク・サーティ』が受賞しました。この作品は、その年の映画界を代表する作品の一つとして高く評価され、監督賞にはキャスリン・ビグロー、主演女優賞にはジェシカ・チャステインがそれぞれ受賞しました。

主演男優賞は、ロマンティック・コメディ『世界にひとつのプレイブック』で熱演を見せたブラッドリー・クーパーが受賞。助演男優賞は、クエンティン・タランティーノ監督作『ジャンゴ 繋がれざる者』で圧倒的な存在感を放ったレオナルド・ディカプリオが獲得しました。助演女優賞は『コンプライアンス 服従の心理』のアン・ダウドが受賞しました。

外国映画賞は、『愛、アムール』が受賞。ドキュメンタリー映画賞は、ロード・オブ・ザ・リングの音楽を手がけたネッド・ド・ハーマンを救出した音楽ドキュメンタリー『シュガーマン 奇跡に愛された男』が選ばれました。アニメ映画賞は『シュガー・ラッシュ』、アンサンブル・キャスト賞は『レ・ミゼラブル』が受賞しました。

その他の注目すべき受賞者とノミネート作品

ブレイクスルー男優賞には『インポッシブル』のトム・ホランド、ブレイクスルー女優賞には『ハッシュパピー 〜バスタブ島の少女〜』のクヮヴェンジャネ・ウォレスが輝きました。スポットライト賞は『アルゴ』、『フライト』、『パラノーマン ブライス・ホローの謎』、『人生の特等席』などに出演したジョン・グッドマンが受賞しました。新人監督スポットライト賞は、映画『ハッシュパピー 〜バスタブ島の少女〜』の監督であるベン・ザイトリンが受賞しました。

脚本賞では、オリジナル脚本賞を『LOOPER/ルーパー|LOOPER_ルーパー』のライアン・ジョンソン、脚色賞を『世界にひとつのプレイブック』のデヴィッド・O・ラッセルが受賞。さらに、『アルゴ』の製作で貢献したベン・アフレックは、特別映画製作業績賞を受賞し、表現の自由賞には『プロミスト・ランド』と『The Central Park Five』が選出されました。

作品トップ10

作品賞を受賞した『ゼロ・ダーク・サーティ』に加え、以下10作品が作品トップ10に選出されました。

『アルゴ』
『ハッシュパピー 〜バスタブ島の少女〜』
『ジャンゴ 繋がれざる者』
『リンカーン』
『LOOPER/ルーパー|LOOPER_ルーパー』
『レ・ミゼラブル』
『ウォールフラワー』
『プロミスト・ランド』
* 『世界にひとつのプレイブック』

外国映画トップ5、ドキュメンタリー映画トップ5、インディペンデント映画トップ10

外国映画トップ5には、『東ベルリンから来た女』、『最強のふたり』、『少年と自転車』、『NO』、『魔女と呼ばれた少女』がランクイン。ドキュメンタリー映画トップ5には、『アイ・ウェイウェイは謝らない』、Detropia、The Gatekeepers、The Invisible War、Only the Youngが選出されました。インディペンデント映画トップ10には、『キング・オブ・マンハッタン 危険な賭け』、『バーニー/みんなが愛した殺人者|バーニー_みんなが愛した殺人者』、『コンプライアンス 服従の心理』、『エンド・オブ・ウォッチ』、Hello I Must Be Going、Little Birds、『ムーンライズ・キングダム』、『オン・ザ・ロード』、『カルテット! 人生のオペラハウス』、Sleepwalk with Meが選ばれました。

この第84回ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞は、2012年の映画界を彩った傑作の数々と、その制作に携わった才能あふれる人々を称える、記憶に残る授賞式となりました。

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