ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞 (2017年)

第89回ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞：2017年の映画界を彩った才能たち

2017年11月28日、映画批評家らで構成されるナショナル・ボード・オブ・レビューが、その年の優れた映画作品や映画人を表彰する第89回授賞式を行いました。2017年の映画界を代表する作品やクリエイターたちが集結したこのイベントでは、様々な部門で輝きを放つ才能が称えられました。

作品賞の栄冠に輝いたのは、スティーヴン・スピルバーグ監督による『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書|ペンタゴン・ペーパーズ_最高機密文書』でした。この作品は、アメリカ政府によるベトナム戦争への関与に関する機密文書を暴露した事件を題材に、真実と権力、そしてジャーナリズムのあり方について問いかける力作として高い評価を受けました。

作品賞トップ10にも、話題作が名を連ねています。『ベイビー・ドライバー』『君の名前で僕を呼んで』『ディザスター・アーティスト』『ダウンサイズ』『ダンケルク』『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』『ゲット・アウト』『レディ・バード』『LOGAN/ローガン|LOGAN_ローガン』『ファントム・スレッド』といった、2017年を代表する作品たちが、その高い芸術性とエンターテイメント性を認められました。

監督賞は、青春映画『レディ・バード』で繊細な演出を見せたグレタ・ガーウィグが受賞しました。一方、主演男優賞と主演女優賞は、『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書|ペンタゴン・ペーパーズ_最高機密文書』で圧巻の演技を見せたトム・ハンクスとメリル・ストリープがそれぞれ受賞。ベテラン俳優たちの貫禄ある演技が、高く評価されたと言えるでしょう。

助演男優賞は『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』で印象的な演技を披露したウィレム・デフォー、助演女優賞は『レディ・バード』で輝きを放ったローリー・メトカーフが受賞しました。また、アンサンブル演技賞は、社会問題を鋭く描いた『ゲット・アウト』が受賞。新人監督賞は、同作で社会派ホラーという新たなジャンルを確立したジョーダン・ピールが受賞しました。

脚本賞は、ポール・トーマス・アンダーソンが『ファントム・スレッド』で受賞。脚色賞は、『ディザスター・アーティスト』で高い脚本力を発揮したスコット・ノイスタッターとマイケル・H・ウェバーが受賞しました。

さらに、インディペンデント映画トップ10、アニメーション映画賞、外国語映画賞、ドキュメンタリー映画賞など、様々な部門で受賞者が発表されました。インディペンデント映画トップ10には、『ベアトリス・アット・ディナー』『ブリグズビー・ベア』『A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー』『レディ・マクベス』『ローガン・ラッキー』『ゴッホ 最期の手紙』『Menashe』『嘘はフィクサーのはじまり』『パティ・ケイク$』『ウィンド・リバー』といった個性豊かな作品が選出されました。

アニメーション映画賞は『リメンバー・ミー』、外国語映画賞はイスラエル映画『運命は踊る』、ドキュメンタリー映画賞は『ジェーン』がそれぞれ受賞しました。

また、パティ・ジェンキンスとガル・ガドットの『ワンダーウーマン』における創造的なコラボレーションに対してスポットライト賞が贈られ、表現の自由賞には『最初に父が殺された』と『Let It Fall: Los Angeles 1982–1992』が選ばれました。

第89回ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞は、2017年の映画界を彩った多様な才能と作品を改めて認識させてくれる、記憶に残る授賞式となりました。それぞれの受賞作品には、映画史に残る名作としての価値があると言えるでしょう。

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