ナディア・ペトロワ

ナディア・ペトロワは、1982年6月8日、ロシアのモスクワで生まれた元プロテニス選手です。右利きで、両手打ちのバックハンドを武器としていました。彼女のテニスキャリアにおける最高ランキングは、シングルスで3位、ダブルスでも3位に達しました。WTAツアーではシングルスで13勝、ダブルスで24勝を記録しました。

ペトロワの両親は共に陸上競技選手で、父親はハンマー投げの選手、母親はモントリオールオリンピックの1600mリレーで銅メダルを獲得しています。幼少期は両親の仕事の関係でエジプトで過ごしました。1998年には全仏オープンのジュニア女子シングルスで優勝し、1999年9月にプロに転向しました。

2003年の全仏オープンでは、1回戦で当時第12シードのモニカ・セレシュを破るという番狂わせを演じ、準決勝まで進出。この活躍により、WTAアワードの「最も進歩した選手」賞を受賞しました。2004年には、メガン・ショーネシーと組んだダブルスで年間7勝を挙げ、WTAツアー選手権も制覇しました。

2005年の全仏オープンでは2度目の準決勝進出を果たしましたが、ジュスティーヌ・エナン＝アーデンに敗れました。同年10月には、オーストリア・リンツ大会でシングルス初優勝を飾っています。2006年にはシングルスで大きく飛躍し、年間5勝を達成。しかし、同年の全仏オープンでは1回戦で森上亜希子に敗れるという波乱もありました。

2007年全豪オープンでは3回戦でセリーナ・ウィリアムズに敗退。2月にはシーズン初優勝を挙げ、シングルスでの勝利数を7に伸ばしました。2010年には全米オープンでリーゼル・フーバーと組んだ女子ダブルスで初のグランドスラム決勝に進出しましたが、準優勝に終わっています。

2011年には、シティ・オープンで3年ぶりとなるシングルス10勝目を挙げました。2012年全仏オープンではマリア・キリレンコと組んだダブルスで2度目のグランドスラム決勝に進出しましたが、またもや準優勝となりました。同年のロンドンオリンピックでは、シングルスでは3回戦で敗退しましたが、マリア・キリレンコと組んだダブルスで銅メダルを獲得し、親子二代でオリンピックメダリストとなりました。また、同年の東レ パン・パシフィック・オープンでは初優勝を遂げ、WTAツアー選手権ではダブルスで優勝、さらに翌週のWTAトーナメント・オブ・チャンピオンズでも優勝し、シングルスでの勝利数を13に伸ばしました。

ペトロワは2014年4月のファミリー・サークル・カップを最後に試合から遠ざかり、2017年1月に正式に現役引退を発表しました。彼女のWTAツアー決勝進出結果は、シングルスで24回（13勝11敗）、ダブルスで48回（24勝24敗）です。

彼女の4大大会シングルスでの成績は以下の通りです。

全豪オープン: 最高3回戦進出
全仏オープン: 最高準決勝進出（2回）
ウィンブルドン: 最高ベスト8進出
全米オープン: 最高ベスト8進出

ナディア・ペトロワは、そのパワフルなストロークと粘り強いプレーで多くのファンを魅了しました。また、ダブルスでも高い実績を残し、オールラウンドな選手として記憶されています。

外部リンク:

WTAツアーのプロフィール（英語）
ビリー・ジーン・キング・カップのプロフィール（英語）
国際テニス連盟のプロフィール
X（旧Twitter）の公式アカウント
* 公式サイト（ロシア語・英語）

もう一度検索