ナベリウス

ナベリウス (Naberius)

ナベリウスは、[悪魔]]学においてその名を知られる悪魔の一体であり、ナベルス(Naberus)やケルベロス]という別名も持っています。その存在は、[[悪魔や精霊に関する古文書や、魔術の知識を記したグリモワールと呼ばれる書物の中で確認することができます。

概要

有名なグリモワールの一つ『ゴエティア』によれば、ナベリウスは19の軍団を指揮する序列24番の侯爵とされています。また、18世紀に成立したとされるグリモワール『大奥義書』においては、ネビロスという悪魔の支配下にあると記述されています。しかし、ナベリウス自身がネビロスと同一視されることもあります。

伝承によれば、ナベリウスは召喚されるとカラスの姿で現れ、しわがれた声で話すとされています。彼はあらゆる人文科学、自然科学に精通しており、特に修辞学に長けていると言われています。また、失われた威厳や名誉を回復させる力を持つとも信じられています。

別名のケルベロスが示すように、ナベリウスはギリシア神話に登場する地獄の番犬ケルベロスとの関連も指摘されています。コラン・ド・プランシーは著書『地獄の辞典』の中で、ナベリウスをケルベロスの項目で解説し、三つの頭を持つ犬、またはカラスの姿で現れると述べています。ルイ・ル・ブルトンによる挿絵では、ナベリウスは三種類の犬の頭と鳥の脚と尾を持ち、貴族風の衣服を身につけた悪魔として描かれています。

参考文献

コラン・ド・プランシー『地獄の辞典』床鍋剛彦訳、講談社、1990年。ISBN 4-06-201297-9。
Mathers, S.L. MacGregor and Crowley, Aleister, The Lesser Key of Solomon（1904）, The Internet Sacred Text Archive 内の文書（英文）
Waite, A.E., The Book of Ceremonial Magic（1913）, The Internet Sacred Text Archive 内の文書（英文）
Weyer, Johann, Pseudomonarchia Daemonum, Twilit Grotto: Archives of Western Esoterica 内の文書（ジョゼフ・H・ピーターソン編集・解題・注釈、ラテン語原文、レジナルド・スコットの英訳）
* Goetia, Twilit Grotto: Archives of Western Esoterica 内の文書（ジョゼフ・H・ピーターソン編集、英文）

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