ナラ

ナラ（楢、柞、枹）について

ナラとは、ブナ科コナラ属の落葉広[[葉樹]]の総称であり、英語ではオーク（oak）と呼ばれています。秋になると葉が茶色く変化することが特徴です。ナラの木は、その美しい姿だけでなく、木材や燃料としての利用価値も高く、人々の生活と深く関わってきました。

表記と呼称

漢字の「楢」は、音符の「酋」と意符の「木」を組み合わせた形声文字です。英語のオーク（oak）は、ヨーロッパナラを指すことが多く、常緑性のカシを指す場合は、ライヴオーク（live oak）と区別されます。このため、翻訳の際には注意が必要です。また、イギリスに分布するオークはナラに相当し、エプソム競馬場のオークス (Epsom Oaks) は、創設者のダービー卿の義理の伯父が所有していた大きなオークの木に由来しています。

日本に自生するナラの仲間たち

日本には、以下の様な様々な種類のナラが自生しています。

クヌギ (Quercus actissima)
ナラガシワ (Quercus aliena)
ミズナラ (Quercus crispula)
カシワ (Quercus dentata)
コナラ (Quercus serrata)
アベマキ (Quercus variabilis)

これらのうち、コナラ、クヌギ、アベマキなどは、温暖な地域の照[[葉樹林]]帯に多く見られ、常緑[[広[[葉樹]]林]]に混じって生育しています。森林伐採後には、代償植生としてこれらの樹木が優占する森林が形成されることもあり、武蔵野などがその例として挙げられます。コナラは、比較的寒冷な地域にも分布しています。また、ミズナラは、ブナ林などに混じって温帯の落葉広[[葉樹]]林の重要な構成樹種となっています。クヌギは、カブトムシやクワガタムシが樹液を吸いに集まる木として、よく知られています。

ナラの利用

ナラの木は、その材質の良さから、高級家具やウィスキー用酒樽の材料として重宝されています。特に酒樽には、ヨーロッパではヨーロピアンオーク、北米ではホワイトオークが主に用いられ、日本ではミズナラも使用されています。また、燃料としては、ナラから作られた木炭は断面が美しいことから茶の湯の炭として使われ、燻製用のスモークチップとしても利用されています。

ナラ枯れの脅威

ナラは、自然の植生だけでなく、公園などにも重要な樹木として植えられていますが、近年、カシノナガキクイムシが媒介する菌によって枯死する「ナラ枯れ」という被害が深刻化しています。この被害の背景には、薪などの利用が減ったことで、カシノナガキクイムシが好む太い幹を持つ巨木が増加したことがあります。被害を防ぐため、林野庁や自治体は、木にビニールを巻いたり、罠を仕掛けたりする対策や、被害を受けた木の伐採を実施しています。

関連情報

カシ：ナラと同じブナ科の常緑樹
オーク：ナラの英語名
萌芽更新：伐採された木の根元から新しい芽が出て成長すること
イベリコ豚：ドングリを餌とする豚、ナラの仲間もドングリを実らせる。


ナラの木は、私たちの生活に深く関わり、様々な恵みをもたらしてくれる貴重な資源です。しかし、ナラ枯れなどの問題も抱えており、その保全には、継続的な取り組みが必要です。

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