ナルシエフ

ナルシエフ（パフラヴィー語: 𐭭𐭥𐭮𐭧𐭩 Narseh; 漢語: 泥涅師）は、唐の時代に活躍したペルシア人将軍です。彼は、イスラム帝国の侵攻によって滅亡したサーサーン朝最後の王、ヤズデギルド3世の孫であり、唐に亡命したペーローズ3世の息子として知られています。

生涯

679年、ナルシエフは裴行倹によるペルシア遠征に同行しましたが、道中で軍から離れることになりました。その後、彼は30年近くにわたりトハリスタンに留まり、アラブ勢力との戦いを続けました。707年、ナルシエフは長安に戻り、その地で病を得て亡くなるまでの余生を過ごしました。ナルシエフの子どもたちは、唐の貴族と婚姻関係を結び、唐社会に溶け込んでいったとされています。

唐には、ナルシエフやペーローズ3世をはじめ、多くのサーサーン朝の要人が亡命していました。710年には、ナルシエフの叔父にあたるバハラーム7世が亡くなり、その息子であるホスロー6世が、729年にソグド人やテュルク人と共にKamarja包囲戦に参加し、アラブ勢力と戦ったという記録が残っています。しかし、これを最後に、ヤズデギルド3世の直系子孫に関する記録は見られなくなりました。

サーサーン朝の滅亡後、その王族や貴族たちは、各地に亡命しました。唐は、彼らにとって重要な亡命先の一つとなり、多くのペルシア人が唐の文化や社会に影響を与えました。ナルシエフもその一人であり、彼の生涯は、激動の時代におけるペルシアと唐の関係を物語る上で、重要な意味を持っています。

関連項目

ナルセ1世
タジク人

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