ナヴァロンの嵐

『ナヴァロンの嵐』の概要

『ナヴァロンの嵐』（Force 10 from Navarone）は、1968年にイギリスの作家アリステア・マクリーンによって発表された戦争小説です。本作は「ナヴァロンの要塞」の続編として位置づけられており、映画版のタイトルは『ナバロンの嵐』です。物語は、前作に登場したキャラクターたちが再び同じ舞台に集結し、新たな任務に挑む姿を描いています。

物語の背景

物語の舞台は第二次世界大戦中の1943年です。主人公のマロリー、アンドレア、ミラーは、ナヴァロンの巨砲を破壊した後、イギリスへ帰還したばかりです。しかし、彼らは再度ジェンセンからの呼び出しを受け、ユーゴスラビアへと向かうことになります。ここでは、山岳地帯とダム、そしてネレトヴァ川に囲まれた危険な地域に7,000名ものパルチザン兵が取り残されており、ドイツ軍の脅威が迫っています。

チーム「風力10」

マロリーたちは、海兵隊からの援軍3名を加えた特別チーム「風力10（Force 10）」を編成します。このチームは、ユーゴスラビアの混乱した状況に飛び込み、パルチザンやドイツ軍、さらには王党派の抵抗組織とも戦うことになります。しかし、マロリーだけが知る作戦の真の目的が存在し、その秘密が物語を引き立てていきます。

主要キャラクター

• - キース・マロリー: 隊長で大尉、ニュージーランド出身の世界的な登山家。
• - アンドレア: ギリシャ陸軍の元中佐。
• - ミラー（フケツ）: 爆薬と破壊工作のスペシャリストで、アメリカ人。
• - レナルズ: 海兵隊コマンド部隊の軍曹。
• - マリア: パルチザンの女性。
• - ノイフェルト: ドイツ軍の大尉。

あらすじ

作戦が開始されると、彼らはランカスター爆撃機で現地に向かう途中でドイツ軍の攻撃を受け、5名の隊員だけがユーゴスラビアに到着します。困難な状況に直面した彼らは、パルチザン隊長の娘であるマリツアの助けを得て、パルチザン部隊と合流することになります。彼らの任務は、ネレトヴァ川の橋を破壊することであり、しかしそこには敵に変装した元スパイのニコライが潜んでいるため、事態は複雑化します。

映画化について

小説『ナヴァロンの嵐』は映画化されており、キャストやストーリー展開には大幅な変更が加えられています。特にアンドレアが登場しないこと、アメリカ軍の特殊部隊が主な任務を負う点が目立ちます。映画はコメディタッチの内容であり、原作とは異なる完成度を持っています。なお、原作に基づく映画の脚本の一部をもとに、マクリーンは後に小説『パルチザン』を執筆しました。

関連項目

本作は、ネレトヴァの戦いとは直接の関係はないものの、ドイツ軍、チェトニック、パルチザンという多様な勢力の闘争を背景にしており、ネレトヴァ川に架かる橋や景観が物語の重要な舞台として描かれています。

もう一度検索