ナヴァロンの要塞

『ナヴァロンの要塞』

概要

『ナヴァロンの要塞』（The Guns of Navarone）は、イギリスの作家アリステア・マクリーンによって1957年に発表された、第二次世界大戦を背景とした冒険小説です。この作品は、戦記物や実録秘話の形式を取っていますが、物語に登場するケロス島やナヴァロン島は全て架空の名称です。1943年に繰り広げられたエーゲ海での戦闘やドデカネス諸島戦役に影響を受けています。日本語版は1966年に早川書房から刊行され、1977年にはハヤカワ文庫として文庫化されました。

この物語は、アリステア・マクリーンの代表作の一つであり、同作の人気を受けて1968年には続編『ナヴァロンの嵐』（Force 10 from Navarone）が発表されました。また、その後もサム・ルウェリンによってこの作品の続編が執筆されました。

あらすじ

物語は1943年、第二次世界大戦の真っ只中に展開します。イギリス軍の兵士たちがドイツ軍に占領されたギリシャのケロス島で孤立してしまいます。彼らは海路による脱出を試みますが、その直前にはナヴァロン島に設置された二門の巨砲が立ちはだかります。この巨砲は、巡洋艦や駆逐艦を次々に撃沈し、無力化しなければケロス島からの脱出は不可能でした。

数度にわたるイギリス海空軍の攻撃は失敗を重ね、敵の要塞は難攻不落の状態が続きます。そんな中、ドイツ軍の総攻撃まで一週間という限られた時間の中で、世界的な登山家であるマロリーが率いる特別部隊が最後の希望として投入されます。彼らは、ナヴァロン島の南側にそびえる400フィートの断崖を登ることを試みます。そこは難所とされ、警備が手薄だと考えられていました。

偽装した漁船を使い、彼らは海を渡ってナヴァロン島に到着します。厳しい嵐と困難な状況の中で断崖を登りつめるものの、敵に行動が察知されているのではないかという不安感が漂います。

登場人物

• - キース・マロリー: 隊長であり、砂漠挺進隊の大尉。ニュージーランド出身の世界的な登山家です。
• - アンドレア: ギリシャ陸軍の元中佐で、マロリーと共に後方撹乱戦を行った経験があります。
• - ミラー: 陸軍伍長で、爆薬や破壊工作の専門家。アメリカ人で通称「フケツ」と呼ばれています。
• - スティーブンズ: 海軍大尉で、登山家としての経歴を持つ役割を果たします。
• - ブラウン: 海軍の電信兵曹で、船舶機関士の経歴があります。
• - ジェンセン: 海軍大佐で、後方撹乱作戦の指揮官です。
• - ルーキ: ナヴァロン島の連合軍の協力者。
• - パナイス: 同じく連合軍の協力者です。

このように『ナヴァロンの要塞』は、緊張感溢れる状況の中での冒険と仲間との連携が描かれた魅力的な物語です。

もう一度検索