ニュルンベルク-インゴルシュタット-ミュンヘン高速線

ニュルンベルク-インゴルシュタット-ミュンヘン高速線



ニュルンベルク-インゴルシュタット-ミュンヘン高速線は、バイエルン州の二大都市であるニュルンベルクミュンヘンを結ぶ、総延長170.8kmの高速鉄道路線です。ドイツ語では、Schnellfahrstrecke Nürnberg–Ingolstadt–München と表記されます。

路線概要



本路線は、以下の2つの主要区間で構成されています。

ニュルンベルクインゴルシュタット間: 最高速度300km/hに対応した高速新線区間(NBS)。1998年から2006年にかけて建設されました。90.1kmの区間のうち、27kmが9箇所のトンネル区間となっています。環境への影響を考慮し、アウトバーン9号線に沿って敷設されています。
インゴルシュタットミュンヘン間: 19世紀から存在する在来線区間を、200km/h走行に対応できるよう大規模に改良した区間(ABS)。2010年から2013年にかけて軌道改良工事が完了しました。一部区間では最高速度が160km/hから190km/hに制限されています。

運行形態



長距離列車と近距離列車の両方が運行されており、以下のような列車が利用できます。

ICE: 最高速度300km/hで運行される長距離列車。
ミュンヘンニュルンベルク・エクスプレス: 最高速度200km/hで運行される地域列車。
アラースベルクエクスプレス: ニュルンベルクとアラースベルクを結ぶ普通列車。最高速度140km/h。

開業と効果



本路線は、2006年5月13日に公式開業しました。2006年5月28日には2時間毎の長距離サービスが開始され、同年12月には全面開業に至っています。アウクスブルク経由の旧経路と比較して、29kmの距離短縮と30分の所要時間短縮を実現しました。ミュンヘン-ニュルンベルク・エクスプレスでは、1時間前後の大幅な時間短縮となっています。

技術



2009年までに、ほとんどの区間で自動列車制御装置LZB)、列車運行管理システムGSM-R)、保安装置(ETCS)の導入が完了しました。建設費は2006年1月時点で36億ユーロです。

歴史



ミュンヘン - インゴルシュタット



1867年11月14日にミュンヘン - インゴルシュタット間の鉄道が開通し、1870年4月12日にトロイヒトリンゲンまで延伸されました。1990年代には、在来線の最高速度が既に160km/hに達していました。走行速度向上のため、ミュンヘン - インゴルシュタット間は3つの区間に分割され改良工事が実施されました。ミュンヘン - ペタースハウゼン間は2006年12月に最高速度200km/hに向上、ペタースハウゼン - ローアバッハ間は2015年8月末に工事が完了し、最高速度190km/hとなりました。残りの区間は160km/hに改良されています。

インゴルシュタット北 - ニュルンベルク



最初の計画は1983年に遡ります。当時、西ドイツ国鉄はニュルンベルクミュンヘン間をより直接的に結ぶことを計画していました。この計画は1985年に西ドイツ政府の交通インフラ計画に盛り込まれ、アウクスブルク経由かインゴルシュタット経由かの議論が行われました。インゴルシュタット経由(171km)はアウクスブルク経由(199km)よりも短距離でしたが、都市規模ではアウクスブルクの方が大きいという問題がありました。本格的な工事は1998年に開始され、総工費は当初23億ユーロと想定されましたが、地質学的問題、環境対策、セキュリティ対策などにより13億ユーロのコスト増となりました。2006年9月2日には、オーストリア連邦鉄道の電気機関車1216 050が、機関車として世界最高速度となる357km/hを樹立しました。

駅一覧



ニュルンベルク中央駅
アラースベルク駅
キンディンク駅
インゴルシュタット北駅
インゴルシュタット中央駅
ミュンヘン中央駅

列車



ICE



ICE25号線:ミュンヘン - ニュルンベルク - カッセル - ハノーファー - ハンブルク/ブレーメン(60分間隔)
ICE28号線:ミュンヘン - ニュルンベルク - エアフルト - ライプツィヒ - ベルリン - ハンブルク(120分間隔)
ICE41号線:ミュンヘン - ニュルンベルク - ヴュルツブルク - フランクフルト - ケルン - ドルトムント(120分間隔)

地域輸送



快速列車(RE 1)「ミュンヘンニュルンベルク・エクスプレス」:ミュンヘン - インゴルシュタット - インゴルシュタット北駅 - キンディング - アラースベルク - ニュルンベルク(60/120分間隔、DB101形電気機関車とIC用客車を使用)
Sバーン:アラースベルク - ニュルンベルク(60分間隔、月-土曜日、DB1440形電車を使用、「アラースベルク・エクスプレス」の置き換え)

ニュルンベルク - キンディング間はニュルンベルク広域運輸連合(VGN)に属し、キンディング - インゴルシュタット間はインゴルシュタット運送会社(INVG)の管轄です。

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