ニューすずらん

ニューすずらんについて

ニューすずらんは、新日本海フェリーが運営していた大型フェリーで、1979年に敦賀～小樽の航路に就航しました。この船は、同型船のニューゆうかりと共に幸陽船渠で建造され、就航当初はさんふらわあ11に比べて総トン数が2000トンも上回る、日本で最大のフェリーとして注目を集めました。

運航の歴史

ニューすずらんは、1979年5月に初めて航海を行い、以来長い間、多くの旅客と貨物を運ぶ重要な役割を果たしました。しかし、1996年6月に初代のすずらんやすいせんと交代し、運航を終了しました。運航を終えた後、ニューすずらんはギリシャのANEK Linesに売却され、その後改造を受けて「KRITI I」となりました。この改造後のフェリーは、ピレウスからヘラクリオンへの航路を中心に運航され、2018年にはイタリアのGrandi Navi Veloci（GNV）に用船され、ナポリとパレルモの間でも運航されていました。

船の特徴

このフェリーは、観音開きのバウドアの設計を改良し、跳ね上げ式のバウバイザーを装備している点が特徴的でした。最上甲板にはダミーファンネルが設置され、ここがスカイラウンジとして利用されていました。また、1981年には車両甲板の拡張工事が行われ、トラックの搭載数が増加したものの、その結果として総トン数が減少しました。後の改造では、A甲板の後部に2等船室とスポーツデッキが追加されました。

船室の詳細

ニューすずらんには、様々な種類の客室が用意されており、旅行者のニーズに応えるために多様な選択肢がありました。以下は各船室の概要です：

• - スイートルーム（2名×2室）
• - 特等（和洋室）（2名×20室）
• - 1等

- 洋室ツイン（2名×26室）
- 洋室二段ベッド（4名×26室）

• - 和室（25名×10室）
• - 2等寝台（180名定員）
• - 2等（34名定員）

船内設備には、スイートルームや特別室、2等和室、特別室ロビー、浴室、スカイラウンジ（ステージやダンスフロア付き）が含まれていました。その他のデッキには、案内所やエントランスホール、レストラン、グリル、テイクアウトコーナー、マージャン室、休憩室「プラザ」、特等サロン、1等室、2等寝台室、2等室も設置されており、利用者に快適な旅を提供しました。

車両甲板

船には大きな車両甲板もあり、Cデッキにはトラックや乗用車が多数搭載できるスペースが設けられていました。具体的には、Cデッキにはトラック40台および乗用車46台、Dデッキにはトラック123台を運ぶことができました。

結論

ニューすずらんは、長い歴史と多彩な設備を持ち、多くの人々に利用されてきました。その活躍は、単なる航路の運航に留まらず、様々な人々の旅を支える重要な存在でした。

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