ニューはまなす

ニューはまなすの概要と歴史

ニューはまなすは、新日本海フェリーが運航していたフェリーです。この船は、フェリーはまなすとフェリーしらゆりの後継として設計され、1987年3月に新潟～小樽航路で初めて運航を開始しました。

航路と性能

ニューはまなすは、航海時間を従来の航路に比べて約2時間短縮し、片道18時間で運航していました。この性能は、年間を通じて安定した運航を可能にし、21.5ノットの計画速力を維持していました。また、機関には燃焼効率の高いターボシステムが採用され、低燃費化が実現されていました。

1990年2月には、さらなる航行の快適性を追求するため、キャビンの増設工事が行われ、定員が932名、乗員数が66名に増加し、総トン数も17,393トンとなりました。

船の引退とその後

しかし、2002年4月にはゆうかりの就航に伴い、日々の運航から引退しました。その後、オリエントフェリーに売却され、ゆうとぴあに改名されて再び航路に復帰しました。しかし、輸送量の減少の影響を受けて、2015年12月末に再度航路が休止となり、同年の12月24日には青島発の便で最後の航海を行いました。

引退後は、神田造船所川尻工場で保管され、その後2017年にはパラオ船籍のOPIAに変更されたのち、日本を離れました。同年にはインドネシアに売却され、RORO PRAYASTIという名前でジャカルタ～スラバヤ航路に就航しましたが、2018年にはインドのアランで解体されました。

設備と内装

ニューはまなすは、従来のフェリーと比べて旅客設備が充実しており、その設計は後の新日本海フェリーの新造船に影響を与えました。内装は、ニューはまなすがモダンなデザインで、僚船のニューしらゆりはクラシックなスタイルを取り入れていました。さらに、衛星放送用のテレビアンテナやコンピューター制御の照明装置など、先端技術も駆使されていました。

特に1990年のキャビン増設工事では、特等洋室や乗員室の増設、スポーツデッキの位置変更などの改装が施され、乗客にとっての利便性が大いに向上しました。

船室構成

船室は多様な構成があり、以下のように分けられていました：

• - スイートルーム（2名×2室）
• - 特等洋室（2名×8室、3名×2室）
• - 1等洋室（2名×8室、4名×10室、5名×16室）
• - 2等寝台（302名分）
• - 2等（396名分）
• - ドライバー室（60名分）

設備の紹介

船内には、航海船橋甲板や特別室、スポーツルーム、ラウンジ「ザ・ポールスター」などがあり、特にラウンジではコンピューター制御の照明演出装置が導入されていました。

各甲板も充実しており、A甲板には1等客室、ミーティング室、レストランなどが配置され、B甲板にはドライバー室やプレイコーナーなど、多様な設備が整備されていました。

衝突事故

ニューはまなすは、1997年6月16日に新潟港で漁船との衝突事故に遭遇しました。この事故により、船の左舷中央部に損傷が生じました。事故の原因は、漁船の居眠り航行とされています。

船の歴史と運航についての概要は、ニューはまなすが日本の海運史において重要な役割を果たした証となっています。

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