ニュー・パシフィック航空

ニュー・パシフィック航空 (New Pacific Airlines) について

ニュー・パシフィック航空は、アメリカ合衆国アラスカ州アンカレッジを拠点とする格安航空会社（LCC）です。2021年5月に、レイバンアラスカ航空を傘下に持つFLOATアラスカによって、ノーザン・パシフィック航空（Northern Pacific Airways）として設立されました。

歴史

当初、同社は北米とアジアを結ぶ太平洋横断便の運航を計画しており、アンカレッジを中継地とするハブ空港構想を掲げていました。このビジネスモデルは、アイスランド航空のように、乗客が乗り継ぎの際にアラスカでの観光を楽しめるようにすることを想定していました。具体的には、東京、関西、中部、ソウル、ロサンゼルス、サンフランシスコ、オーランドなど、多数の都市への就航を検討していました。

しかし、ロシア領空を迂回する必要性から、長時間の洋上飛行が伴うことになり、運航に必要なETOPS（双発機による長距離洋上飛行）の資格取得に時間を要することが判明しました。そのため、太平洋横断路線の開設を延期し、2023年7月14日にカリフォルニア州オンタリオとネバダ州ラスベガスの間の国内線から運航を開始しました。

設立当初の社名であったノーザン・パシフィック航空は、BNSF鉄道との間で商標権を巡る訴訟問題が発生しました。BNSF鉄道は、かつて存在したノーザン・パシフィック鉄道の後継であり、「ノーザン・パシフィック」の商標権を保持していました。この訴訟の結果、2023年8月28日にノーザン・パシフィックの名称使用の差し止め命令が出されました。同社は不服申し立てを行わず、社員からの公募によって選ばれた「ニュー・パシフィック航空」への社名変更を決定し、同年9月に発表しました。この社名変更は、既存のブランド資産への影響を最小限に抑えることを考慮して決定されました。しかし、社名変更後も、FAAからの正式な承認が遅れたため、航空券にはしばらく旧社名が表示される状況が続きました。

就航地

同社は、テッド・スティーブンス・アンカレッジ国際空港を拠点として、北米とアジアを結ぶ太平洋横断便の運行を計画しています。この路線は、アンカレッジを経由して、アジア方面への乗り継ぎや、数日間のストップオーバーでアラスカ観光を楽しむことができる点が特徴です。しかし、ロシア領空を迂回する必要があるため、長時間の洋上飛行となるため、ETOPSの資格取得が課題となっていました。そのため、まずはカリフォルニア州オンタリオとネバダ州ラスベガス間の国内線から運航を開始しています。

機材

ニュー・パシフィック航空は、2022年9月時点でボーイング757-200型機を4機保有しています。これらの機材は、アメリカン航空で使用されていたものを導入しました。将来的には、太平洋横断路線の開設に向けて、同型機をさらに追加し、合計12機体制とする計画です。

今後の展望

ニュー・パシフィック航空は、社名変更という困難を乗り越え、太平洋横断路線の実現に向けて着実に準備を進めています。国内線での運航実績を積み重ねながら、ETOPSの資格取得や機材の拡充を進め、アンカレッジを拠点とした国際線ネットワークの構築を目指しています。

外部リンク

公式ウェブサイト

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