ニンティ空港

林芝米林空港

林芝米林空港（ニンティ・メンリン空港）は、中国チベット自治区ニンティ市メンリン県に位置する4C級の地方空港です。八一鎮（ニンティ市巴宜区の行政所在地）から約55km、メンリン県の市街地からは約19km離れた場所にあります。

概要

この空港は、ヤルンツァンポ川の川沿いに建設されており、滑走路の長さは3km、幅は路肩を含めて60mです。建設費には7.8億元が投じられました。林芝米林空港は、その地理的条件から中国で最も飛行が難しい空港の一つとされています。航路は第二次世界大戦中の駝峰航路（ハンプ・ルート）にあたり、チベット高原東南部の山間部、標高4000m級の山々に囲まれた狭く湾曲した峡谷を飛行する必要があります。峡谷の最狭部はわずか4kmしかなく、天候も変わりやすいという困難な条件が重なります。特に毎日14時から18時には風速が27m/秒に達するため、離着陸は午前中に行われることが一般的です（上海便を除く）。年間を通じて飛行に適した天候はわずか100日程度であり、その困難さから、アメリカのNAVERUS社製のRNP（Required Navigation Performance、航法精度要件）装置が導入されています。

また、民間空港でありながら、中国人民解放軍も駐留しており、兵員輸送にも利用されるという特殊な側面も持っています。

沿革

林芝米林空港は、以下の経過を経て開港しました。

2004年3月：基礎部分の工事が開始
2004年10月30日：主体構造の建設が開始
2006年3月9日：工事が完了し、試験飛行が開始
2006年4月28日：中国民用航空局の試験を通過
2006年7月12日：ボーイング757-200型機による試験飛行が成功
2006年9月1日：正式開港
2008年8月10日：空港敷地の境界フェンスの改造が開始
2008年10月17日：境界フェンスの改造が完了
2009年9月2日：エアバスA319型機による試験飛行が成功

就航航空会社と就航路線

以下の航空会社が林芝米林空港に就航しています。

中国国際航空：成都
チベット航空：成都、上海（成都経由）、ラサ、重慶

関連項目

中華人民共和国の空港の一覧

この空港は、その特殊な立地条件から、航空機の運航において高い技術と慎重さが求められる場所です。

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