ニーラゴンゴ山

ニーラゴンゴ山

ニーラゴンゴ山は、アフリカ中部のコンゴ民主共和国東部に位置する活火山です。アフリカ大地溝帯に位置し、近隣にはエドワード湖やキブ湖、カリシンビ山などの山々があります。マウンテンゴリラで有名なヴィルンガ国立公園内に位置しています。

特徴

ニーラゴンゴ山の最大の特徴は、山頂火口に存在する巨大な溶岩湖です。この溶岩湖は、世界でも数少ない恒常的な溶岩湖の一つとして知られています。また、非常に流動性の高い溶岩を噴出することで知られており、噴火時には麓の集落に大きな被害をもたらすことがあります。

噴火史

ニーラゴンゴ山は、歴史的に何度も噴火を繰り返しています。主な噴火としては、以下のようなものがあります。

1977年1月：噴火により大量の溶岩が流出し、麓の集落を飲み込み約70人が死亡しました。
2002年1月：大規模な噴火が発生し、麓のゴマ市街地や空港にまで溶岩が到達しました。ゴマ市の建物の15％が破壊され、約35万人が避難しました。この噴火による死者は150人近くに上りました。
2021年5月：再び大規模な噴火が発生し、溶岩がゴマの空港に到達、約40万人が避難しました。

2002年の噴火

2002年の噴火では、溶岩流は全長約20kmに達し、ゴマ市の市街地や空港を飲み込みました。溶岩がガソリンスタンドに引火し爆発するなど、二次災害も発生しました。近郊のキブ湖への溶岩流入も懸念されましたが、幸いにも溶岩は湖に到達する前に冷え固まり、大規模な環境災害は免れました。

2021年の噴火と支援

2021年の噴火では、日本のNGO団体・なかよし学園が中心となり、被災者への募金や義援金送付、災害支援活動が行われました。また、同団体は火山防災教育を行う「なかよし防災学校」を設立し、桜島のある鹿児島県鹿児島市、雲仙・普賢岳のある長崎県島原市と提携し、日本の防災教育の知見を活かした活動を展開しています。

現状と課題

ニーラゴンゴ山は、現在も活発な火山活動を続けており、今後も噴火の可能性があります。ゴマ市周辺は人口密集地であるため、噴火が発生した場合の被害を最小限に抑えるための対策が急務となっています。火山活動の監視体制の強化、住民への防災教育、避難計画の策定などが重要な課題となっています。

参考文献

国立天文台編 『理科年表 平成20年』 丸善、2007年、ISBN 978-4-621-07902-7。

外部リンク

* Nyiragongo - Smithsonian Institution: Global Volcanism Program

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