ニール・アダムス (柔道)

ニール・アダムス（Neil Adams、1958年9月27日 - ）は、イギリス出身の著名な柔道家です。71kg級と78kg級を主戦場とし、国際舞台で数々の輝かしい成績を収めました。身長178cm。

元々はラグビー選手でしたが、兄の影響でレスリングと柔道を始めました。早くからその才能を発揮し、1974年にはヨーロッパカデ58kg級で3位入賞を果たします。その後も、1976年のヨーロッパジュニアと世界ジュニア71kg級でともに3位となるなど、着実に力をつけていきました。

1977年にはヨーロッパジュニアで優勝。1978年の嘉納杯でも3位に入賞しました。1979年にはヨーロッパ選手権で優勝、世界選手権でも3位に入賞し、世界のトップレベルへと躍り出ます。

1980年のモスクワオリンピックでは、決勝でイタリアのエツィオ・ガンバに敗れましたが、銀メダルを獲得しました。その後、階級を78kg級に上げると、1981年の世界選手権では決勝で日本の加瀬次郎を得意の腕挫十字固で破り、見事優勝。イギリスの男子選手として初の快挙を成し遂げました。

1983年のヨーロッパ選手権でも優勝しましたが、世界選手権では決勝で日本の日蔭暢年に敗れて2位に終わりました。しかし、翌1984年のヨーロッパ選手権では再び優勝。ロサンゼルスオリンピックでは、決勝で西ドイツのフランク・ウィニケに敗れたものの、2大会連続となる銀メダルを獲得しました。1985年のヨーロッパ選手権では5度目の優勝を飾り、その実力を改めて証明しました。同年の世界選手権では、再び日陰に敗れて3位となりました。

1988年のソウルオリンピックでは、3回戦で東ドイツのトルステン・ブレヒョートに敗れ、メダル獲得はなりませんでした。

寝技を得意とし、特にアダムス式腕挫十字固は彼の代名詞とも言える必殺技でした。その卓越した技術は、多くの柔道家から尊敬を集めました。

引退後は指導者として活躍し、ヨーロッパ各国の強化コーチを歴任しました。現在は、ベルギー・ナショナルチームの監督およびスポーツ・コンサルタントとして、後進の育成に尽力しています。また、IJF（国際柔道連盟）のスーパーバイザーやIppon.TVのコメンテーターも務めるなど、多方面で柔道界に貢献しています。

ニール・アダムスは、選手としてだけでなく、指導者としてもその名を世界に轟かせている、まさにイギリス柔道界のレジェンドと言えるでしょう。

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