ネピドー

ネピドー、またはネーピードーは、ミャンマーの首都であり、2006年に旧首都ヤンゴンに代わってその地位を担うようになりました。この都市は、その計画的な都市構造と、首都としての特殊な機能に特徴があります。

地理と都市構造

ネピドーは、外国からの観光客を想定した高級ホテル街や、有事の際には戦闘機の滑走路としても利用できるという20車線の広い幹線道路が目を引きます。近代的なショッピングセンターも存在しますが、大規模な病院は不足しています。電力事情はヤンゴンと比較して非常に良好です。

しかし、その巨大な規模にもかかわらず、レストランの数は20軒にも満たず、駐在員は自炊を余儀なくされる状況です。そのため、多くの大使館や商社の駐在員はヤンゴンに留まっています。また、行政首都への一般人の立ち入りは厳しく制限されており、商業関係者は特定の区域に隔離されています。軍の司令部も政府庁舎とは別の場所に位置しています。

軍事パレードが実施される広場には、ビルマ史の偉大な王とされるアノーヤター、バインナウン、アラウンパヤーの巨大な像が設置されています。2011年には、ネピドー国際空港が開港し、当初は国内線のみでしたが、現在はバンコク、インパール、昆明への国際線も就航しています。

また、東京ドーム70個分にも相当する広大な国会議事堂は2010年に完成し、2011年には22年ぶりの連邦議会が開催されました。

内陸部に位置する閉鎖的な立地から、遷都は群衆反乱を警戒した措置であるという見方もあります。ネピドーという名前は「王都」を意味しますが、遷都当初、多くのミャンマー人はこの都市を「チャッピエー（恐れて逃げた）」と呼んでいたといいます。この地理的条件は、2021年の軍事クーデターの際に、軍が国会議員を逮捕する上で利用されたとも指摘されています。

気候

ネピドーの気候に関する詳細な情報は、提供された資料には含まれていません。

歴史と遷都の背景

2003年夏、ピンマナ西方の軍用地で新首都の建設が始まりましたが、移転計画が公になったのは2005年の中頃でした。多くの人々が急速な遷都は不可能だと考えていましたが、ミャンマー政府は2005年11月7日に移転を開始し、政府職員はヤンゴンからピンマナへと移動しました。翌2006年3月27日の国軍記念日には、新首都で軍事パレードが開催され、この時に首都地域がネピドーと公式に発表されました。同年10月10日には正式な遷都が宣言されました。

遷都の理由については公式には発表されていませんが、以下のような様々な説が提唱されています。

ヤンゴンの人口密集と交通渋滞、政府機関拡張の余地不足。
アメリカからの侵攻に対する戦略的な優位性。内陸に位置するネピドーは、海に近いヤンゴンよりも占領されにくいとされた。
少数民族が多い地域への近接性、および上ビルマと下ビルマの結節点としての治安維持上の重要性。
元首タン・シュエの占星術師の命令によるもの。タン・シュエの運勢が下降しており、首都を移転させる必要があったという説。
軍事政権が都市部の市民を恐れており、ヤンゴンでの市民運動や革命を警戒したため、政権中枢をネピドーに移したという説。
天然ガス輸出による外貨収入増が、遷都に必要な財源を確保できた要因であるという説。

これらの説は、ネピドー遷都の背景にある複雑な要因を示唆しています。

画像

(提供された資料には、画像に関する具体的な情報は含まれていません。)

注釈

(提供された資料には、注釈に関する具体的な情報は含まれていません。)

出典

(提供された資料には、出典に関する具体的な情報は含まれていません。)

参考文献

工藤年博「ミャンマー軍政の『王都』、ネーピードー」アジ研ワールド・トレンド通巻142号

外部リンク

ビルマ新首都へ移転開始、BBCの報道（2005年11月6日）
当惑させるビルマの首都移転、BBCの報道（2005年11月8日）
ミャンマーの「王の座所」、Pedrosa, Veronica. アルジャジーラ英語版（2006年11月21日）
Inside Napyidaw, The Flying Dutchman blog（ネピドーに初期に入った旅行者のブログ）
【ルポ】ミャンマー「秘密首都」を歩く、時事ドットコム （同じくネピドーに入ったジャーナリストの記事。2010年）
* ウィキボヤージュには、ネピドー（英語）に関する旅行情報があります。

もう一度検索