ノックト・アウト・ローデッド

『ノックト・アウト・ローデッド』は、ボブ・ディランが1986年にリリースした24枚目のスタジオ・アルバムです。このアルバムは、ビルボード200チャートで最高54位、全英アルバム・チャートで35位を記録しました。

アルバムには、11分にも及ぶ俳優サム・シェパードとの共作「ブラウンズビル・ガール」や、トム・ペティとの共作、アル・クーパーやマイク・キャンベルとの共演曲などが収録されています。しかし、ディランのアルバムとしては、次作『ダウン・イン・ザ・グルーヴ』（1988年）と並んで、評価、セールスともに振るわなかった作品として知られています。

ファンからは、ハートブレーカーズとの共演ツアーのサウンドが再現されれば素晴らしいアルバムになるという期待もありましたが、ディランの良き友人であり理解者であるロン・ウッドは、「レコーディング時点でのきらめきがスタジオ・ワークを経て見事に失われてしまった」とこのアルバムについて述懐しています。この発言からも、このアルバムの制作過程における課題がうかがえます。

レコーディングは、1986年4月末頃から5月にかけて、カリフォルニア州トパンガ・キャニオンにあるスカイライン・スタジオで行われました。また、途中、カリフォルニア州ヴァン・ナイスのサウンド・シティ・スタジオでトム・ペティと「マイ・マインド・メイド・アップ」を共作しています。興味深い点として、このアルバムには、1984年～1985年のレコーディング・セッション時の録音が一部使用されていることも挙げられます。

以下に、収録曲を記載します。

Side 1
1. ランブル - You Wanna Ramble – 3:14
作詞・作曲: Little Junior Parker
2. ゼイ・キルド・ヒム - They Killed Him – 4:00
作詞・作曲: クリス・クリストファーソン
3. ドリフティン・トゥ・ファー - Driftin' Too Far From Shore – 3:39
作詞・作曲: ディラン
4. プレシャス・メモリーズ - Precious Memories – 3:13
トラディショナル、編曲: ディラン
5. メイビー・サムデイ - Maybe Someday – 3:17
作詞・作曲: ディラン

Side 2
1. ブラウンズビル・ガール - Brownsville Girl – 11:00
作詞・作曲: ディラン、サム・シェパード
2. マイ・マインド・メイド・アップ - Got My Mind Made Up – 2:53
作詞・作曲: ディラン、トム・ペティ
3. アンダー・ユア・スペル - Under Your Spell – 3:58
作詞・作曲: ディラン、キャロル・ベイヤー・セイガー

このアルバムは日本でもリリースされ、ボブ・ディランの作品の中でも特に注目すべき作品の一つと言えるでしょう。関連作品として、ボブ・ディランの他のアルバムも合わせて聴いてみることをお勧めします。

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