ノルトゼー

ノルトゼー：北海の恵みを届ける魚介レストラン

ノルトゼーは、ドイツを代表する魚介料理専門のレストランチェーンです。その歴史は19世紀末に遡り、北海で水揚げされた新鮮な魚介類を内陸部の人々にも届けたいという思いから始まりました。現在では、ドイツ国内だけでなく、近隣諸国にも広く展開しており、赤い魚のロゴマークは多くの人に親しまれています。

創業と発展

1896年、ブレーメンの船主グループや商人たちによって「ノルトゼー・ドイツ蒸気船漁業社」として設立されたノルトゼーは、当初は魚介類の専門商社でした。同年には初のレストランもオープンし、新鮮な魚介類を使った料理を提供し始めました。

その後、ノルトゼーはドイツ最大の漁船団の一つに成長しましたが、第一次世界大戦の影響で多くの船が失われました。戦後、同業他社との合併を進め、1931年にはドイツの漁船の約半数がノルトゼー所属となりました。1932年には、ドイツ国内で128軒、オーストリアで32軒ものレストランを展開するまでに成長しました。第二次世界大戦後は、レストラン事業をさらに拡大し、軽食レストランを次々とオープンさせました。

1950年代末には、ドレスナー銀行とユニリーバが経営に関わるようになり、1960年代中頃にはファーストフードの概念を取り入れました。ダルムシュタットに最初の「ノルトゼー・クイック」店舗がオープンし、その後10年間で100店舗に拡大しました。

グローバル展開と変遷

1997年には、イギリスの投資会社エイペックス・パートナーズに買収され、持ち株会社化されました。1999年には小規模店舗の「スナック・ショップ」が登場し、より手軽にノルトゼーの味を楽しめるようになりました。2004年には商品群を一新し、チェコ、ルーマニア、ハンガリー、スイスにも進出しました。2005年には、カンプス・フードリテイル・インベストメントと野村ホールディングスによって買収され、2006年には、カンプスがキプロスのインターナショナル・フードリテイル・キャピタルによって買収されました。

2007年春以降は、アラブ首長国連邦のドバイに支社を開設し、中東地域での展開も開始しました。

2018年には、スイスのカリス・キャピタルに売却され、現在に至ります。

現在のノルトゼー

2013年現在、ノルトゼーの本社はドイツのブレーマーハーフェンにあり、約6,000人の従業員を抱えています。ドイツ国内に335店舗、国外に62店舗を展開し、2012年度の売上高は3億4千9百万ユーロを記録しました。空港や鉄道駅などにも店舗を展開しており、旅行者にとっても気軽に利用できる存在です。

ノルトゼーは、創業以来、新鮮な魚介類にこだわり、その素材を生かした様々な料理を提供し続けています。サラダ、サンドイッチ、フライなどの定番メニューに加え、季節限定のメニューも提供しており、訪れるたびに新しい味を楽しむことができます。手軽に美味しい魚介料理を楽しみたい方にとって、ノルトゼーはおすすめのレストランチェーンです。

まとめ

ノルトゼーは、1世紀以上にわたる歴史を持つドイツ発祥の魚介料理レストランチェーンです。その歴史の中で、商社からレストランチェーンへと発展し、世界中にその味を広げてきました。北海で獲れた新鮮な魚介類を使い、手軽に美味しい料理を提供し続けているノルトゼーは、これからも多くの人に愛され続けるでしょう。

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