ノヴォロシースク (空母)

ノヴォロシースクについて

ノヴォロシースク（Новороссийск）は、1982年から1993年までソビエト連邦海軍、およびその後のロシア海軍において運用された重航空巡洋艦です。この艦艇は、キエフ級航空母艦の中で第三艦にあたり、特徴的な改装を受けたため、改キエフ級とも呼ばれています。主に敵への攻撃手段として甲板に搭載されたミサイルを使用するほか、艦載機群を活用した対潜支援にも対応できるよう設計されています。

艦名の由来

艦名は、ロシア南部の黒海に位置する港湾都市、ノヴォロシースクに由来しています。この都市はソ連時代に英雄都市として名を馳せました。当初、艦名はアゼルバイジャンの首都バクーを考えられていましたが、ブレジネフ書記長が第二次世界大戦中のノヴォロシースク防衛戦の関与を踏まえ、艦名の変更を提案したため、最終的にノヴォロシースクとなりました。

大規模な改修内容

ノヴォロシースクは、キエフ級の前2艦からの改修において約40%の内部設計が変更されました。搭載機数は30機に増強され、魚雷発射管は撤去され、新型ソナーも導入される計画です。また、海軍歩兵とその運搬用にMi-6ヘリコプターも考慮されています。魚雷発射管が取り去られたスペースは、海軍歩兵90名の居住空間として活用され、艦載機搭載に伴い航空燃料の搭載量も増加しました。

搭載機には、通常時にYak-38が16機と対潜ヘリコプター8機、救難ヘリコプター2機の合計26機が用意され、対潜戦用には対潜ヘリコプター34機が配備可能です。このように、さまざまな編成に対応する柔軟性を求める改修が行われました。さらに新型艦載機、Yak-141の搭載が見込まれ、飛行甲板の耐熱処理やブラストディフレクターの追加も計画されています。

対空兵装についても更新が行われ、SA-N-4ミサイルの代わりにSA-N-9を、AK-630M 30mm CIWSの代わりにハイブリッドCIWSであるCADS-N-1を搭載する予定でした。しかし、両システムは未開発であったため、AK-630Mが再度搭載されることとなり、SA-N-4は搭載されませんでした。

航海の歴史

ノヴォロシースクは1975年にムィコラーイウで起工し、1978年の進水を経て1982年に就役しました。主に太平洋艦隊で活動し、1983年には北方艦隊と連携した演習へ参加したり、アメリカ海軍の艦艇を追跡したりするなど積極的な任務を遂行しました。1985年には日本の近くで模擬攻撃訓練を行い、アメリカ軍の艦艇や航空機との遭遇も記録されています。

1988年には北朝鮮に寄港し、国際的な軍事演習にも参加しましたが、1993年に機関室で発生した火災を契機に、艦は退役し予備役に編入されました。その後、1996年に韓国の業者に売却され、1997年に解体される運命を辿りました。

まとめ

ノヴォロシースクは、技術的な革新を体現した艦艇であり、その運用の歴史は冷戦時代の軍事的緊張を背景にした多様な任務の遂行に彩られています。航空母艦の設計とその改修を通じて、当時の海軍戦略や技術の進歩を象徴する存在であったと言えるでしょう。

もう一度検索