ノースダコタ (戦艦)

戦艦ノースダコタ（USS North Dakota, BB-29）の生涯

アメリカ海軍の戦艦「ノースダコタ」は、デラウェア級戦艦の2番艦として、その名を歴史に刻みました。艦名はアメリカ合衆国39番目の州、ノースダコタ州にちなんで命名されました。

起工から就役

1907年12月16日、マサチューセッツ州クインシーのフォアリバー造船所でその建造が開始されました。1908年11月10日には、マリー・ベントンによって命名、進水。そして1910年4月11日、初代艦長チャールズ・P・プランケット大佐の指揮下、ついに就役を果たしました。

大西洋艦隊での活動

就役後、「ノースダコタ」は大西洋艦隊に配属され、東海岸やカリブ海での演習に従事しました。1910年11月2日には、初の大西洋横断航海を敢行し、イギリスとフランスを訪問。その後、翌年の春までカリブ海で活動を続けました。1912年と1913年の夏には、海軍兵学校生を乗艦させ、ニューイングランド水域での訓練航海を実施しました。

1913年1月1日には、駐ブラジル大使ホイットロー・リードの遺体を乗せたブラジル船「ネータル」がニューヨーク湾に入港した際、その護衛艦として参加しました。

メキシコ情勢と第一次世界大戦

メキシコの政治的混乱がアメリカ合衆国との関係に緊張をもたらすと、「ノースダコタ」はベラクルスへ向けて出航。1914年4月26日、アメリカ軍が同市を占領した5日後に到着しました。メキシコの政情が安定するまで、アメリカ人の保護を目的としてメキシコ水域を巡航。同年10月16日、バージニア州ノーフォークに帰還しました。

その後は大西洋艦隊で集中的な訓練を行い、アメリカ合衆国が第一次世界大戦に参戦した際には、チェサピーク湾で砲術訓練を行っていました。戦争期間中、「ノースダコタ」はヨーク川で活動し、ニューヨーク沖で砲術訓練や機関兵の訓練を実施しました。

戦後の任務と退役

1919年11月13日には、駐米イタリア大使の遺体を運ぶため、ノーフォークを出航。地中海ではアテネ、コンスタンチノープル、バレンシア、ジブラルタルなどを訪問しました。その後、カリブ海に戻り、定期的な艦隊演習に従事しました。1921年の夏には、海軍と陸軍がバージニア岬沖で行った共同航空爆撃実験に参加。この実験では、ドイツ軍艦「フランクフルト」と「オストフリースラント」が標的艦として沈められ、航空兵力の可能性が実証されました。

「ノースダコタ」はその後、2度の海軍兵学校生の訓練航海を行い、1923年にはスカンジナビア、スコットランド、スペインを訪問しました。

しかし、ワシントン海軍軍縮条約により、1923年11月22日に退役。1931年1月7日に除籍され、同年3月16日にスクラップとして売却されました。特筆すべきは、艦の蒸気タービンが戦艦「ネヴァダ」に転用されたことです。

現在の姿

現在、ノースダコタ州ビスマークの州議事堂敷地内にあるノースダコタ・ヘリテージ・センターには、「ノースダコタ」の模型が展示され、その歴史を今に伝えています。

関連事項

アメリカ海軍艦艇一覧

外部リンク

Maritimequest USS North Dakota BB-29 Photo Gallery

「ノースダコタ」は、その短い生涯の中で、アメリカ海軍の歴史に重要な足跡を残しました。その活躍は、今もなお多くの人々に語り継がれています。

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