ノーフォークマツ

ノーフォークマツ（ノーフォーク松）

ノーフォークマツ（学名：Araucaria heterophylla）は、ナンヨウスギ科に属する常緑針葉樹です。和名ではコバノナンヨウスギ、シマナンヨウスギとも呼ばれます。一般的にパインツリーという名でも知られていますが、マツ科の植物ではありません。

特徴

ノーフォークマツは、オーストラリア領のノーフォーク島を原産地とするナンヨウスギ属の植物で、その中でも最大種です。樹高は60mにも達し、樹皮は滑らかで灰白色をしています。葉は輪生状に生え、幼木の葉は針状で長さが1cmほどで、明緑色で光沢があり反り返っています。果実は長卵形です。

均整の取れた円錐形の美しい樹形が特徴で、観賞価値が高く、温暖な地域では造園樹や街路樹として広く植えられています。幼木は室内の観葉植物としても人気があります。また、木材は建築や造船などにも利用されています。ノーフォーク島が原産ですが、オーストラリアやハワイ諸島のラナイ島などにも移植されています。ノーフォーク島の旗には、このノーフォークマツが描かれています。

栽培

ノーフォークマツは、温暖で日当たりの良い場所を好む性質を持っています。日陰にもある程度耐えますが、日光が不足すると樹形が乱れることがあります。そのため、年間を通してできるだけ日光の当たる場所で管理することが望ましいです。栽培に適した温度は15℃から30℃で、寒さにも比較的強く、温暖な地域では乾燥気味の土地であれば屋外での越冬も可能です。ただし、0℃から5℃程度の環境では注意が必要です。

春から初秋にかけては生育期にあたるため、土壌が乾燥しないように水やりを行う必要があります。越冬期には水やりを控えめにしますが、土壌が乾燥しすぎると葉先が枯れてしまうことがあります。施肥や植え替え、繁殖は初夏から晩夏にかけての生育期に行います。繁殖は、主に主軸の枝を用いた挿し木で行います。側枝を挿し穂にすると、横に広がるばかりで縦に伸びないため注意が必要です。

幼木は肥料を与えすぎたり、毎年植え替えを行うとすぐに大きくなってしまいます。そのため、成長を抑制するために、緩効性の肥料を年に1回程度与え、植え替えは2〜3年に1回の頻度で行います。病害虫としては、カイガラムシが発生することがあります。

その他

ノーフォークマツは、その美しい樹形から世界中で愛されている植物です。日本でも庭木や街路樹として見かけることがあり、観葉植物としても人気があります。原産地であるノーフォーク島では、島の象徴として大切にされています。

脚注

参考文献：土橋豊『観葉植物1000』八坂書房、1992年、111頁。
関連項目：伊東里き - アメリカからノーフォークマツを持ち帰り、三重県に植えた人物。

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