ハイトオブファッション

ハイトオブファッション：女王所有馬から繁殖界のレジェンドへ

ハイトオブファッションは、フランス生まれの競走馬にして、類まれな繁殖能力を誇る繁殖牝馬でした。イギリス女王エリザベス2世が所有していた競走馬としてのキャリアは輝かしいものでした。2歳時にはメイヒルステークスとフィリーズマイル（いずれも当時G3、現在はG2とG1）の重賞2勝を挙げ、3歳時にはプリンセスオブウェールズステークス（G2）を制覇。その後、1982年に競走馬を引退します。

競走馬引退後は、シェイク・ハムダンに購入され、アメリカ合衆国のシャドウェルファームで繁殖牝馬としての第二の人生を歩み始めました。21歳でその生涯を終えるまで、多くの優秀な競走馬を世に送り出しました。

繁殖牝馬としての成功

ハイトオブファッションの繁殖成績は、競走馬時代の活躍をはるかに凌駕するものでした。その産駒には、重賞競走を制したアルワスミ、アンフワイン、そして、イギリスクラシック二冠馬のナシュワンといった名馬が名を連ねています。特にナシュワンは、ハイトオブファッションの繁殖牝馬としての地位を確固たるものにしました。

ナシュワンの活躍以降も、その子孫は競走界で成功を収め続けます。1998年生まれのネイエフはG1競走3勝を挙げ、ハイトオブファッション一族の栄光を再び世に知らしめました。さらに、アンフワインはG1競走3勝馬アルハースを、ムクダームはクイーンズランドオークス勝ち馬モンメッキを、ナシュワンはG1競走4勝馬スウェインを輩出。種牡馬としても成功をおさめ、その血統は現代競馬にも大きな影響を与えています。

ハイトオブファッションの産駒は牡馬だけでなく、牝馬も優秀な繁殖牝馬として活躍しました。1988年生まれのマンワーは、重賞競走2勝馬ムスタンファーを出産。また、バシャヤーの仔であるラハイエブはG1競走2勝馬ラフドゥードを、ウィジュダンは重賞馬オリエンタルファッションを、サライールは1000ギニー勝ち馬ガナーティを出産するなど、牝系も繁栄しています。アルワスミとアンフワインは、ジョンポーターステークスで兄弟制覇、アンフワインはプリンセスオブウェールズステークスで母仔制覇という偉業を達成しています。

輝かしい血統背景

ハイトオブファッションの血統は、その成功の鍵の一つです。母は1000ギニーなどG1競走2勝を挙げたハイクレア、曾祖母はデュハーストステークスと1000ギニーを制したハイペリカムと、まさに名門中の名門。その血統背景は、ハイトオブファッションの競走馬としての才能と、繁殖牝馬としての卓越した能力を裏付けています。さらに、半兄のミルフォード、姪のウインドインハーヘア、エレガントファッション、そして姪の孫であるディープインパクトなど、一族には数々の名馬が輩出されています。これらの馬の活躍は、ハイトオブファッションの血統の偉大さを証明しています。

ハイトオブファッションの生涯は、競走馬としての華々しい活躍と、繁殖牝馬としての類まれな成功によって彩られています。その血統は、現代競馬に大きな影響を与え続けており、真のレジェンドとして競馬史に名を刻んでいます。

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