ハイノキ科

ハイノキ科（Symplocaceae）

ハイノキ科は、双子葉植物に属する科の一つで、ハイノキ属（Symplocos）のみで構成される単型の科です。世界には約400種が存在し、多様な種が確認されています。

分類

ハイノキ科の分類は、植物分類体系によって異なります。

クロンキスト体系、新エングラー体系: カキノキ目に分類
APG植物分類体系: ツツジ目に分類

特徴

ハイノキ科の植物は、常緑または落葉性の低木、または高木です。主に熱帯・亜熱帯地域に分布しており、アジア、オーストラリア、南北アメリカなど広い範囲で見られます。しかし、アフリカには自生していません。日本国内にも20数種類のハイノキ科植物が生育しています。

また、ハイノキ科の植物には、アルミニウムを含む種が多く存在します。この性質を利用して、各地で染色に用いられてきました。日本における科名「灰の木」は、日本に分布するハイノキの灰汁が媒染剤として使用されたことに由来します。一方、ラテン語の科名 Symplocos は「一緒になる」という意味を持ち、多数のおしべがそれぞれまとまって5組の束になっている様子を表しています。

日本の主な種

日本には、以下のようなハイノキ科の植物が生育しています。

ムニンクロキ Symplocos boninensis
ヤエヤマクロバイ Symplocos caudata
アオバノキ Symplocos cochinchinensis
タンナサワフタギ Symplocos coreana
ミミズバイ Symplocos glauca
ウチダシクロキ Symplocos kawakamii
コニシハイノキ Symplocos konishii
クロキ Symplocos kuroki
シロバイ Symplocos lancifolia
アオバナハイノキ Symplocos liukiuensis
イリオモテハイノキ Symplocos liukiuensis var. iriomotensis
ハイノキ Symplocos myrtacea
オモゴハイノキ Symplocos myrtacea f. pubescens
ヒロハハイノキ Symplocos myrtacea var. latifolia
ナカハラクロキ Symplocos nakaharae
リュウキュウハイノキ Symplocos okinawensis
クロミノニシゴリ Symplocos paniculata
チチジマクロキ Symplocos pergracilis
クロバイ Symplocos prunifolia
マルバクロバイ Symplocos prunifolia f. uii
ナガバクロバイ Symplocos prunifolia var. tawadae
サワフタギ Symplocos sawafutagi
シロミノサワフタギ Symplocos sawafutagi f. leucocarpa
オクノサワフタギ Symplocos sawafutagi var. terrae-nivosae
ミヤマシロバイ Symplocos sonoharae
ヤンバルミミズバイ Symplocos stellaris
ヒロハノミミズバイ Symplocos tanakae
クロミノサワフタギ Symplocos tanakana
カンザブロウノキ Symplocos theophrastifolia

参考文献

佐竹義輔他編『日本の野生植物 木本Ⅱ』(1989)平凡社
* 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」（YList）

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