ハサミ (囲碁)

囲碁におけるハサミとは

囲碁における「ハサミ」とは、相手の石を挟み撃ちにする戦略的な打ち方の一つです。主に隅の石に接近してきた相手の石に対して、その石が広がりを持つための「ヒラキ」を妨害する目的で用いられます。この打ち方は、相手の石を拘束し、自らの陣地を広げる上で重要な役割を果たします。

ハサミの基本

ハサミは、通常、相手の石から3路以上離れない位置に打たれます。相手の石との間隔によって呼び方が異なり、1路の間隔であれば「一間バサミ」、2路であれば「二間バサミ」、3路であれば「三間バサミ」と呼ばれます。また、4線に挟む場合は、3線へのハサミと区別して「高バサミ」と称します。

例えば、二間離れて4線に挟む場合は「二間高バサミ」となります。一般的に、相手の石に近いほど厳しいハサミ、遠いほど緩やかなハサミとされます。これは、相手の石への影響力や、その後の展開の可能性が異なるためです。

具体的なハサミの打ち方

ハサミは、様々な局面で用いられますが、特に以下の状況でよく見られます。

小目へのカカリに対するハサミ

小ゲイマガカリに対しては、一間バサミ、二間高バサミ、三間バサミなどがよく用いられます。挟まれた石は、中央への進出や、挟んできた石への仕掛けによって活路を見出そうとします。

一間バサミ: 相手の石に最も近い位置に打ち、厳しい攻めを仕掛けます。
二間高バサミ: 一間バサミよりもやや緩やかですが、相手に安定した形を作らせない狙いがあります。
三間バサミ: 比較的緩やかなハサミで、全体のバランスを見ながら打ちます。

一間高ガカリへのハサミ

一間高ガカリに対しては、3種類のハサミが主に用いられます。それぞれのハサミは、その後の展開に大きな影響を与えます。

aのハサミ: 相手の石にツケて渡る手を牽制し、攻防の焦点を作り出します。
bのハサミ: 比較的新しく、より厳しい攻めを狙ったハサミです。
cのハサミ: 「村正の妖刀」と呼ばれ、複雑な変化を生じやすいハサミです。

大ゲイマガカリへのハサミ

大ゲイマガカリは、ハサミを避けるために打たれることが多いですが、それでもなお、一間バサミや二間高バサミが打たれることがあります。この場合、挟まれた石は、三々にツケてサバキを図ることが多くなります。

二間高ガカリへのハサミ

二間高ガカリに対しては、aのハサミがよく用いられます。

星へのカカリに対するハサミ

星へのカカリに対しては、様々なハサミが考えられます。挟まれた石は、中央への進出、三々への侵入、ツケてサバク、両ガカリ、ハサミ返しなど、多様な対応を迫られます。

小ゲイマガカリへのハサミ: 6通りのハサミが考えられ、様々な変化が生まれます。
一間高ガカリへのハサミ: 基本的には受けることが多いですが、下辺に模様を張りたい時に一間高バサミが打たれることがあります。

目ハズシへのカカリに対するハサミ

目ハズシへの小ゲイマガカリに対しては、黒a,b,cなどにハサんで打つことがあります。特にfに打つ手は「大斜ガケ」と呼ばれ、難しい定石に発展します。白は、頭を出す打ち方で対応することが一般的です。また、高ガカリに対してハサむこともあります。

まとめ

ハサミは、囲碁において非常に重要な戦略の一つであり、様々な局面で活用されます。相手の石の配置や、その後の展開を考慮しながら、適切なハサミを打つことが、勝利への鍵となります。このガイドを参考に、ハサミの理解を深め、囲碁の腕を磨いてください。

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