カカリ

囲碁におけるカカリ

囲碁における「カカリ」とは、相手が隅に打った石に対して接近して打ち、そのシマリを妨害し、相手に確実な地を与えないようにする着手のことを指します。カカリは、対局における石の接触の第一段階であり、ほとんど全ての対局で用いられる重要な技術です。

カカリの基本

カカリは、相手の石に近すぎると、2対1の不利な状況で戦わざるを得なくなり、良い結果には繋がらないことが多いです。そのため、一般的には、ケイマの位置や一間、二間など、ある程度距離を置いて打つのがセオリーとされています。カカリは主に3線や4線に打たれることが多く、特に4線へのカカリは「高ガカリ」と呼ばれることがあります。

様々なカカリの種類

小目に対するカカリ

小目に対するカカリは、aの「小ゲイマガカリ」とbの「一間高ガカリ」が最も一般的であり、ここから多くの定石が生まれます。これらのカカリ方では、挟まれて不利になる可能性がある場合は、cの「大ゲイマガカリ」が用いられ、隅の地を譲る代わりにゆっくりとした展開を目指します。dの二間高ガカリは呉清源が推奨していますが、実戦での例は多くありません。また、eなどに黒の開きがある中国流やミニ中国流の布石では、f方面からの「裏ガカリ」も用いられるようになってきました。この分野は現在も発展中で、様々な手法が試されています。

星に対するカカリ

星に対するカカリは、aの小ゲイマガカリがほぼ定石となっています。勢力を重視する場合はbの一間高ガカリが使われることもあります。稀にcの二間高ガカリが使われることもありますが、その例は多くありません。

両ガカリ

星へのカカリに対して、黒が手を抜いた場合、aやbへの両ガカリが打たれることがあります。一般的には、これ以上手を抜くと封鎖されて不利になると考えられています。また、bやcに両一間高ガカリを許すことも不利とされています。

スソガカリ

黒が星からシマった場合、白からaやbなど2線から侵入する「スソガカリ」が使われることがあります。これにより、白は三々入りと辺への展開を同時に見ることができます。

目外しに対するカカリ

目外しに対するカカリは、aの小目へのカカリが一般的です。しかし、このカカリは相手に勢力を与えやすく、大斜定石などの複雑な形になりやすいという側面もあります。勢力を重視する場合はb、簡明に進めたい場合はcやdなどが選択されます。eは勢力を重視した特殊なカカリです。詳細については目外しの項目を参照してください。

高目に対するカカリ

高目に対してカカる場合は、aの小目にカカるのが最も一般的です。状況に応じてbの三々に入る手法や、cのように一歩引いてカカる手段も用いられます。詳細については高目の項目を参照してください。

三々に対するカカリ

三々は既に隅を確保しているため、他の着点に比べてカカリは急ぐ必要はありません。カカる場合は、aからdなどが考えられます。カカリとは言えませんが、eの肩ツキが三々に対する一般的なアプローチとして用いられます。

まとめ

カカリは、囲碁の序盤から中盤にかけて非常に重要な戦略の一つです。状況に応じて適切なカカリを選択し、有利な局面を築くことが勝利への鍵となります。この記事が、あなたの囲碁の技術向上に役立つことを願っています。

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