ハニーパイ

ハニーパイは、2012年の地方競馬を席巻した名牝です。デビューは門別競馬場。初勝利こそ2戦目と遅かったものの、その後はめきめきと頭角を現し始めました。リリーカップでは、当初の騎手である宮崎光行騎手が負傷したため、代役として騎乗した黒澤愛斗騎手と共に重賞初制覇を飾るというドラマチックな勝利を収めました。

続くフローラルカップでは惜しくも2着。しかし、ハニーパイの勢いは留まることを知りませんでした。交流重賞のエーデルワイス賞では、先行馬を差し切って見事勝利。同馬主、同生産牧場であるピッチシフターを1馬身突き放し、重賞2勝目を挙げました。勢いに乗って挑んだ兵庫ジュニアグランプリでも3着と好走。2歳シーズンは、交流重賞を含む2つの重賞タイトルを獲得し、NARグランプリ2歳最優秀牝馬に輝きました。東京2歳優駿牝馬では7着と結果を残せませんでしたが、2歳時の活躍は記憶に残るものとなりました。

その後、川崎競馬場に移籍し、内田勝義厩舎に所属。しかし、復帰戦では12頭中12着と振るわず、これが最後のレースとなり、2013年11月28日に競走馬登録を抹消されました。

華麗な競走馬生活に幕を閉じたハニーパイですが、その輝かしい才能は繁殖牝馬として受け継がれています。引退後はグランド牧場に戻り、その後は新ひだか町の前谷牧場で繋養されています。2021年には、3番仔ラブミードールが門別競馬場のフレッシュチャレンジで勝利。これは2019年産馬の勝利第1号、そして父コパノリッキーの産駒初の勝利という快挙でもありました。

ハニーパイの血統背景もまた、非常に興味深いものです。8代母にあたるオーグメント（競走馬名アスベル）は、1926年の帝室御賞典、1927年の各内国産古馬競走（現在の天皇賞の前身）を制した名馬です。さらに、近親にはサウスアメリカン（百万石賞）、リキサンパワー（フェブラリーステークス、札幌記念）、トドロキヒホウ（オールカマー、弥生賞、東京4歳ステークス）、ケンハツピー（東海菊花賞）といった、数々の重賞勝ち馬が名を連ねています。

このように、ハニーパイは競走馬としての活躍だけでなく、繁殖牝馬としても優れた能力を受け継ぎ、競馬界に多大な貢献を果たしたと言えるでしょう。その血統、そしてその華々しい戦績は、競馬史に長く刻まれることでしょう。彼女の活躍は、多くの競馬ファンに感動と希望を与え続け、今後も語り継がれるに違いありません。地方競馬を代表する名牝として、ハニーパイの伝説は永遠に語り継がれていくことでしょう。その功績は、日本の競馬史にしっかりと刻まれています。

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