ハマー (自動車)

ハマー（HUMMER）

ハマーは、アメリカの自動車メーカーAMゼネラルが1992年に発表した民間型ハンヴィーに由来するSUVブランドです。このブランドは、GMが1999年に販売権を取得した後も広く知られるようになりました。ハマーは特徴的なデザインとオフロード性能で多くのファンを魅了し、時代を超えてその存在感を放ち続けています。

H1（1992年 - 2006年）

1992年に誕生したハマーは、AMゼネラルのハンヴィーを元にして開発されました。最初は俳優アーノルド・シュワルツェネッガーのアイデアから始まり、1992年には工場直販の限定版が発売され、その後は一般販売に移行しました。ハマーH1はディーゼルエンジンとガソリンエンジンの選択肢があり、1999年にはゼネラルモーターズが製造権を引き継ぎ、「ハマー・H1」として知られるようになりました。

ハマーH1は、その堅牢な構造と大きなボディが特徴で、日本でも一部の公的機関で災害対策用車両として利用されました。しかし、原油価格の高騰や規制の強化により、2006年には生産終了が決定されることになりました。ただし、AMゼネラルは同年以降もハンヴィーの製造を続けていました。

H2（2002年 - 2010年）

ハマーH2は、シボレー・タホをベースにしたフルサイズのSUVで、H1の印象を残しつつも異なるアプローチで設計されました。2002年からGMによって生産され、日本では三井物産オートモーティブが輸入しました。H2の魅力は、居住性の向上と高級SUVとしての位置付けです。ラインナップにはH2 SUTというピックアップトラック版もあり、SUVとトラックの機能を兼ね備えたモデルとして人気を博しました。

H2はその乗り心地やスタイルのために高所得者層に支持され、人気を集めましたが、2006年モデルからはスペアタイヤのデザイン変更が行われ、室内の使用感に一部不満も出たものの、全体としては安定した販売を維持していました。

H3（2006年 - 2010年）

ハマーH3は、シボレー・コロラドのシャーシを基にしたモデルで、サイズダウンされ、より扱いやすくなっています。H3は特にオフロード性能が評価されており、2009年にはバハ1000で優勝するなど、そのスペックを証明しています。エンジンは初めは小型でしたが、トルク不足の声を受けて大型エンジンも搭載されたモデルが登場しました。また、日本ではエコカー補助金を受けることができるという点も評価されました。

しかし、このモデルも2010年に生産終了が発表され、ハマーのブランド自体も消滅することとなりました。

HX コンセプト（2008年）

ハマーHXは、2008年のデトロイトショーで発表されたコンセプトモデルで、H3よりも小型化され、オフロード性能を強化したものでした。取り外し可能なルーフと先進的なデザインが魅力的でしたが、2010年のブランド廃止により市販化されることはありませんでした。

ハマーEV（2021年 - ）

2021年、GMCブランドのもとにハマーは電動車両として再登場しました。電気自動車市場にシフトする中で、エクストリームEなどの競技にも参戦し、新たな時代のスタートを切りました。

このように、ハマーは時間を重ねるごとに進化しつつ、その特異な存在感を保ちながら、今後も注目される自動車ブランドであり続けるでしょう。

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