ハリバット (原子力潜水艦)
USSハリバット（SSGN/SSN-587）
USSハリバットは、アメリカ海軍の一隻で、原子力潜水艦として運用されていました。その艦名は、カレイ目に属する魚の一種、オヒョウに由来しており、過去に存在したハリバットと同名の艦（ガトー級潜水艦のUSSハリバット SS-232）に続くものです。同型艦は存在しない独自の存在です。
艦歴
ハリバットは1957年の春、カリフォルニア州ヴァレーオにあるメア・アイランド海軍造船所で起工されました。1959年の1月、カリフォルニア州議会議長の妻であるチェット・ホリフィールド夫人により命名され、進水後、1960年の初頭には初代艦長ウォルター・デドリック少佐の指揮の下、正式に就役しました。
この艦は当初、巡航ミサイルを搭載し、戦略的抑止力を持つことを目的としていました。彼女はグレイバック級と同様、レギュラス巡航ミサイルを搭載し、艦のメインデッキは水線上から高い位置に設計されて「フライト・デッキ」として機能しました。ミサイルシステムはコントロールルームからリモートで操作される完璧に自動化された機械式で、水圧を利用して動作しました。ミサイルの補充は艦の前部にある耐圧筒内で行われ、5発のレギュラスIを搭載しました。もともとはレギュラスIIを4発搭載する計画もありましたが、この計画はレギュラスIIの開発中止により実現しませんでした。
ハリバットは正式な整調巡航に1960年3月11日に出発し、オーストラリアに向かう途中での3月25日に、巡航ミサイルの発射に成功し、初の原子力潜水艦としてミサイルを発射したことが記録されています。その後、艦は1960年6月にメア・アイランド海軍造船所に帰還し、11月には真珠湾に向けた訓練巡航を行い、太平洋艦隊に加わる形で作戦に参加しました。初回の配備中には、東南アジア条約機構における演習で7回連続でレギュラス・ミサイルを成功裏に発射しました。
1961年4月には真珠湾に戻り、5月からは二回目の配属が始まりました。その後数ヶ月間にわたって各種演習に参加し、ミサイル発射に関する訓練を重ねました。しかし1960年中にはポラリス潜水艦発射弾道ミサイルを搭載したジョージ・ワシントンも作戦態勢に入ったことから、ハリバットの戦略的な重要性は次第に薄れていきました。
1961年の後半、ハリバットは太平洋西部への3回目の展開を開始し、1964年まで訓練と作戦準備に取り組みました。1964年5月4日には真珠湾を出発し、太平洋における最後の潜水艦搭載レギュラス・ミサイルの哨戒を行いました。その後、9月から12月にかけてパーミット級原子力潜水艦の攻撃能力評価試験に参加しました。
1965年2月には真珠湾海軍造船所でオーバーホールが行われ、8月には攻撃型潜水艦へと艦種が変更され、SSN-587の艦番号が与えられました。その後、ハリバットは現地での訓練に参加し、8月までの間にメア・アイランドでさらなるオーバーホールと改修を受けました。これにより、特殊任務艦としての能力が強化され、電子情報収集や分析に関する装置が搭載されることとなりました。
1970年には真珠湾に戻り、太平洋艦隊と第1潜水艦開発部隊に所属し、1976年まで情報収集活動を続けました。退役後はバンゴールでモスボール化され、1986年には公式に除籍されました。1994年のこと、ピュージェット・サウンド海軍造船所で原子力艦再利用プログラムに沿って解体されました。
ハリバットは冷戦時代にソ連に対抗するための秘密作戦に使用され、その活動の中で以下のような業績を残しました：
参考文献
- - Sontag, Sherry, et. al, 1988,
- 日本語訳: 平賀 秀明, 2000年, 潜水艦諜報戦（上・下）, 新潮社, ISBN 4102900128（上巻）、ISBN 4102900136（下巻）
関連項目
- - アメリカ海軍艦艇一覧
外部リンク
- - USS Halibut Webpage - 米海軍の写真やドキュメンタリーに関する情報
- - globalsecurity - SSGN-587 Halibut
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