ハロン (雑誌)

地方競馬情報誌『ハロン』：その歴史と変遷

『ハロン』は、地方競馬全国協会（NAR）が発行していた機関誌です。競馬における距離を示す単位である「ハロン」を誌名に冠したこの雑誌は、地方競馬の発展と深く関わっています。

1969年11月、地方競馬関係者向けの情報誌として『地方競馬』が創刊されました。当初は隔月誌でしたが、後に月刊誌へと移行します。そして1990年4月、『地方競馬』を前身として『ハロン』が創刊。第1号（正しくは第1巻1号）を皮切りに、地方競馬の魅力を伝える月刊誌として歩み始めます。

月刊誌時代の『ハロン』は、地方競馬の重賞競走やダートグレード競走の情報を中心に掲載していました。毎月のレース結果や写真、そして今後のレース展望などが詳しく紹介され、地方競馬ファンにとって欠かせない情報源となっていました。さらに、騎手や競走馬にまつわる話題、NARグランプリに関する記事など、多様なコンテンツで地方競馬の世界を多角的に伝えていました。

2005年4月号をもって月刊誌としての発行は終了。同年8月からは季刊誌へとリニューアルされます。季刊化に伴い、内容も大きく変化しました。地方競馬に関する情報に加え、競馬関連の読み物やコラムが充実。地方競馬の総合雑誌として、より幅広い読者層を獲得しようと試みました。

日本全国の主要書店や地方競馬場などで販売されていた『ハロン』は、1996年8月号からは日本中央競馬会（JRA）の競馬場や場外勝馬投票券発売所でも一部販売されるようになりました。しかし、2008年春季号をもって休刊という決断が下されます。

雑誌としての発行は終了しましたが、『ハロン』の情報発信はインターネット上で継続されます。2008年4月、『ウェブハロン』がスタート。オンライン情報誌として、地方競馬の最新情報などを無料で提供し続けました。

そして、休刊後も『ハロン』は別の形で復活します。2012年4月、それまでの『ウェブハロン』の内容をまとめた年鑑『Furlong2011』が、株式会社賢工製版のオンラインショップで発売開始。以降、毎年4月に年鑑が発行されるようになりました。フルカラーで『ウェブハロン』の1年間を網羅したこの年鑑は、地方競馬の歴史を記録する貴重な資料となっています。

『ハロン』は、雑誌、オンライン情報誌、そして年鑑という様々な形態をとりながら、地方競馬の発展に貢献してきました。その歴史は、地方競馬の歴史そのものと言えるでしょう。地方競馬の盛衰、そして日本の競馬文化の一端を垣間見ることができる貴重な記録として、『ハロン』は今もなお、多くの競馬ファンに記憶されています。

『ハロン』年表

1969年11月：地方競馬関係者向け情報誌『地方競馬』創刊（隔月誌、のち月刊誌）
1990年4月：『ハロン』創刊（月刊誌）
2005年4月：月刊誌としての最終号（181号）発行
2005年8月：季刊誌としてリニューアル（182号）
2008年春季号（193号）：雑誌『ハロン』休刊
2008年4月：オンライン情報誌『ウェブハロン』開始
2012年4月：年鑑『Furlong2011』発売開始

関連情報

優駿（日本中央競馬会機関誌）
地方競馬全国協会
ウェブハロン

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