ハンファオーシャン

ハンファオーシャン(旧大宇造船海洋)について

ハンファオーシャン（Hanwha Ocean、旧: 大宇造船海洋）は、韓国を代表する造船会社の一つです。ここでは、その設立から現在に至るまでの歴史、主要な建造実績、不正問題、公的資金投入への批判、そして国内の競合他社について解説します。

歴史

1973年10月11日に大韓造船公社として設立されたのが始まりです。その後、1994年に大宇重工業に合併されましたが、大宇財閥の解体に伴い、2000年に大宇重工業から分離し、大宇造船海洋として再出発しました。

2000年代には、韓国産業銀行が筆頭株主として経営改善を進めましたが、売却計画が浮上し、2008年にはポスコ、現代重工業、ハンファの間で買収合戦が繰り広げられました。しかし、資金調達の難航や意見の相違からハンファとの交渉は決裂し、売却は一旦白紙に戻りました。

2013年には、ロシアの石油企業ロスネフチなどが関心を示しましたが、韓国政府が防衛産業への関与を理由に外国企業への売却を認めない方針を示しました。2015年には、過去の不正会計が発覚し、大規模な赤字を計上する事態となりました。

2019年3月には、現代重工業グループ入りが決定し、韓国産業銀行と現代重工業が共同で韓国造船海洋を設立し、その傘下に入る予定でしたが、欧州連合の当局が許可を出さなかったため頓挫しました。

2022年9月、ハンファグループとの間で条件付き投資合意書を締結。

2023年、ハンファグループによる買収が完了し、社名をハンファオーシャンに変更しました。

2024年にはハンファシステムと共に、アメリカのフィリー造船所を買収しています。

主な建造実績

ハンファオーシャンは、商船、海洋プラント、海軍艦艇など、多岐にわたる船舶や構造物を建造してきました。

商船・工場生産: 1993年には世界ランキング1位を獲得し、2001年にはLNG船の受注で世界一となりました。また、世界最大級の半潜水型海洋掘削装置や石油プラットフォーム、浮遊式生産貯蔵出荷設備などの建造にも成功しています。
海軍艦艇: 209型潜水艦、KDX-I/II駆逐艦、214型潜水艦などを建造し、韓国海軍の戦力強化に貢献しています。近年では、インドネシア海軍向けの潜水艦やイギリス海軍向けの給油艦の受注にも成功しています。

不正問題と公的資金投入

2015年には、過去の不正会計が発覚し、大規模な赤字を計上する事態となりました。また、2015年以降、経営改善のために7.1兆ウォンを超える公的資金が投入されています。しかし、この公的資金投入に対して、EUや日本から世界貿易機関（WTO）の規定に違反するとの批判が出ています。

国内の競合他社

ハンファオーシャンは、以下の企業と国内市場で競合しています。

HD現代重工業
サムスン重工業
現代三湖重工業
STX造船海洋
韓進重工業
城東造船海洋


ハンファオーシャンは、長年の歴史の中で、数々の困難を乗り越えながら、韓国の造船業を牽引してきました。近年では、不正問題や公的資金投入への批判など、課題も抱えていますが、技術力や建造実績は世界的に高く評価されています。今後の動向が注目される企業です。

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