HD現代重工業

HD現代重工業（Hyundai Heavy Industries Holdings Co., Ltd.）

HD現代重工業（HHI）は、韓国の総合重工業企業であり、その事業は多岐にわたります。船舶、産業ロボット、プラント設備、太陽光発電、風力発電、発電設備、回転機、重電、重機械、建設機械、特殊自動車、電装、変圧器、エンジンなど、幅広い製品を製造しています。中でも造船事業は特に有名で、現在、世界最大の造船会社としての地位を確立しています。

概要

本社は蔚山に位置し、韓国経済の発展と共に成長を遂げてきました。現代重工業の造船所がある蔚山は、かつて現代グループの城下町として栄え、地域経済を牽引する存在でした。

歴史

1972年3月23日 - 鄭周永（チョン・ジュヨン）により現代グループの一部門として創立。
1973年 - 蔚山造船所が操業を開始。社名を現代造船重工業株式会社に変更。
1978年 - 現代重工業に改名。
2002年2月 - 現代グループから独立。
2014年10月 - 創業以来最悪となる営業赤字を計上。
2017年2月27日 - グループを複数の企業に分社する計画を株主が承認。
2023年3月 - HD現代重工業株式会社に社名変更。

造船事業

1980年代には韓国経済の隆盛とともに成長し、2008年には102隻の船舶を引き渡し、世界最多を記録しました。2009年には世界初のT字型ドックを建設し、技術力の高さを世界に示しました。2010年には蔚山造船所に続き群山造船所の操業を開始しましたが、2015年以降の造船不況の影響を受け、2017年には群山造船所を閉鎖し、蔚山造船所への集約を余儀なくされました。

2019年には、ライバルである大宇造船海洋（現ハンファオーシャン）との経営統合を発表しましたが、欧州連合の当局が許可を出さなかったことで買収は頓挫しました。2020年にはカタール国営石油会社との間でLNG運搬船に関する契約を締結しましたが、新型コロナウイルスの影響で本契約は先送りとなりました。

海洋プラント事業

1983年には蔚山造船所のそばに海洋プラント工場を建設し、海上石油掘削装置などの建造を行ってきました。しかし、2015年以降新規受注がなくなったため、2018年8月から工場の稼働を中止することとなりました。人件費の高騰も受注競争力を低下させた一因とされています。

産業ロボット事業

現代重工業は、多種多様なロボットを生産する韓国最大級のロボット製造企業です。パネル搬送ロボットなど、高度な技術を要する製品も手掛けています。過去には、日本の産業ロボットメーカーに対してダンピング提訴を行うなど、国際的な競争も経験しています。

太陽光設備事業

現代重工業は太陽光発電を次世代新成長事業と位置づけ、積極的に投資を行っています。忠清北道・陰城に太陽光工場を設立し、太陽電池と太陽光モジュールの一括生産を行っています。海外企業との契約も積極的に行い、グローバルな展開を進めています。2009年までに太陽電池及び太陽光モジュールの生産規模を拡大し、ポリシリコンの生産にも参入する計画を立てていました。

風力発電事業

風力発電分野では、風力タービンのライセンス供与をASLMとするなど、技術提携も行っています。

関連項目

HD現代オイルバンク
現代精工→ロテム→現代ロテム
サムスン重工業
斗山重工業
斗山
STX造船海洋
現代三湖重工業
現代尾浦造船
ハンファオーシャン
2010年メキシコ湾原油流出事故
2011年ニュージーランド大地震
フリュー・ヒュンダイ

外部リンク

公式ウェブサイト（朝鮮語）
* 公式ウェブサイト（英語）

HD現代重工業は、過去の苦境を乗り越え、新たな未来に向けて挑戦を続けています。技術革新と事業の多角化を通じて、持続的な成長を目指しています。

もう一度検索