ハートヤイ駅

ハートヤイ駅は、タイ王国南部ソンクラー県ハートヤイ郡に位置する、タイ国有鉄道南本線の重要な駅です。タイ語では「สถานีรถไฟชุมทางหาดใหญ่」と表記されます。ハジャイ駅とも呼ばれることがあります。

概要

1914年、タイ国鉄南本線のソンクラー - カンタン間の開通に伴い、ハートヤイ地区を経由する鉄道が建設されました。その後、南方への鉄道分岐点整備とハートヤイ市街地の発展に伴い、1924年に当駅が開業しました。この開業には、ハートヤイ郡と謝枢泗（シャースーシー）の貢献が深く関わっています。

南本線は、当駅を境に二つの路線に分かれます。一つは半島東海岸沿いをヤラー県、ナラティワート県を経由してス・ンガイ・コーロックへ向かう本線です。もう一つはマレー半島西岸側へ通じ、パダン・ブサールでマレー鉄道ケダ線に接続する支線（ハートヤイ＝パダンブサール線）です。この支線により、タイとマレーシアを結ぶ国際列車が運行されています。具体的には、バンコクとマレーシアのパダン・ブサール駅を結ぶ寝台特急45・46列車（タイ国鉄運行）と、同じくパダン・ブサール駅を結ぶ短距離列車947・948・949・950列車（タイ国鉄運行）が運行されています。かつてはソンクラーへの支線も存在しましたが、自動車との競合により1979年に廃止されました。

当駅には、バンコク方面への長距離直通列車、マレー鉄道への直通列車、そして南部地域各線のローカル普通列車が発着し、1日あたり28本の列車が運行されています。長距離列車は当駅で編成の分割や併合を行うことも多く、南本線南部の運行拠点としての役割を果たしています。駅構内には大規模な機関区・客車区が隣接しており、鉄道輸送を支える重要な施設となっています。

歴史

タイ国有鉄道南本線の本格的な工事は、ペッチャブリー駅（北側）、ソンクラー駅、カンタン駅（南側）の3箇所から始まりました。当駅は、ソンクラー駅側からの第一期工事により1913年1月1日に開業しました。開業当初の駅名はウータパオ駅でしたが、1924年に現在の地に移転し、ハートヤイ駅と改称されました。

以下に、駅に関連する路線の開業年を記します。

1913年1月1日：パッタルン駅 - ソンクラー駅 (26.68km) が開業
1917年4月1日：ウタパオ分岐駅 - クローンサイ駅 (100.27km) が開業

駅構造

駅は地上駅で、単式ホームと島式ホームを組み合わせた2面3線の複合型ホームを持っています。駅舎はホームに面して建てられています。

駅周辺

駅周辺には、以下のような施設があります。

タイ国政府観光庁ハートヤイ事務所
タイ王国観光警察（ツーリストポリス）分駐所
ロビンソン（スーパーマーケット） (駅から100m)
ハートヤイ国際空港 (駅から15km)

蒸気機関車

駅前には、1928年製の蒸気機関車244号機（Baldwin社製、製造番号60410）が静態保存されています。この蒸気機関車は、かつての鉄道の歴史を物語る貴重な存在です。

参考文献

高田隆雄　『タイ国の蒸気機関車』　（エリエイ出版部、1978年）
柿崎一郎　『王国の鉄路 タイ鉄道の歴史』　（京都大学学術出版会、2010年）ISBN 978-4-87698-848-8
渡邉乙弘　『タイ国鉄4000キロの旅』　（文芸社、2013年）ISBN 978-4-286-13041-5

関連項目

タイの鉄道駅一覧
タイ国有鉄道南本線
謝枢泗

外部リンク

* タイ国鉄友の会 - ウェイバックマシン（2003年4月5日アーカイブ分）

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