ハープーン (ミサイル)

ハープーン（Harpoon）

ハープーンは、アメリカ合衆国のマクドネル・ダグラス社が開発した対艦ミサイルです。このミサイルはアメリカや日本を含む30カ国以上に採用されており、特に西側諸国ではフランスのエグゾセと並んで市場を支配する人気商品となっています。愛称の「ハープーン」は捕鯨用の銛に由来し、元々は浮上潜水艦を攻撃するために設計されたことから名付けられました。

開発の経緯

このミサイルの開発は1965年に始まりました。当初は、航空機から浮上潜水艦を攻撃することが主目的でしたが、その後、対艦兵器としての運用にも焦点が当てられました。1968年には、すでに艦艇に搭載しての運用が見込まれていました。1971年に正式に開発が開始され、1972年に初回試射が行われ、1975年から量産が始まりました。

1977年にはSSM型（RGM-84A）が配備開始され、その後もASM型（AGM-84A）、USM型（UGM-84A）が続いています。イギリス海軍の要望に応える形で、さらなる改良が加えられ、ブロック1Bやブロック1Cなどの型が開発されました。特にブロック1Bは、終末航程でのシースキミング能力を持つ新しい誘導方式が導入されています。

設計と発射方式

ハープーンは、先端が尖った円柱形のデザインを持ち、安定翼と誘導翼を備えています。発射方式には、航空機から発射される空中発射型の他、艦船や潜水艦からの発射が可能な型も存在します。潜水艦からは魚雷発射管を利用して発射されるため、非常に効率的です。また、海上からの発射に関しては、多様な発射装置が利用でき、攻撃の柔軟性が確保されています。

誘導方式

ハープーンは、発射前に敵艦の位置情報を入力し、慣性誘導によって目標に向かいます。最終段階では自らレーダーを作動させ、敵艦を追尾します。この過程で、指示された飛翔方向だけで飛行する「BOL方式」も選択可能です。ミサイルは高空を巡航する方法と、低空をシースキミングする方法の二つから選べます。

シースキミングでは、敵艦に近づくまでレーダーに捕捉されないため、急速に接近することが可能です。これにより、敵艦の迎撃に対する時間的な余裕を減少させることができます。

採用国と戦歴

ハープーンは、アメリカをはじめ多くの国に採用されており、海軍で広く使用されています。映画やアニメ作品でも多く取り上げられており、特に『ゴジラシリーズ』や『亡国のイージス』などに登場します。また、実戦においても数多くの海戦でその威力を発揮してきました。

まとめ

ハープーンは、近代的な対艦ミサイルとして非常に高い技術を誇り、多様な運用方法を持つ兵器です。その性能と信頼性から、今後も主力武器として活躍し続けることでしょう。

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