バシキーリアン

バシキーリアンについて

バシキーリアン（Bashkirian）は、国際層序委員会によって分類された地質学用語の一部であり、約3億2320万年前から3億1520万年前の期間を指します。この時期は、ペンシルバニアン亜紀の後期にあたります。バシキーリアンは、前期石炭紀の最上部と、続く後期石炭紀の中期であるモスコビアンとの境界に位置しています。また、その周期の模式地はロシアのバシコルトスタン共和国にあり、ここでの地層が国際標準として位置づけられています。

層序と生物の指標

バシキーリアンの基底には、海中の生物を指標とする重要な化石が含まれています。特にコノドントの種、Declinognathodus donetzianusおよびIdiognathoides postsulcatusの初出現は、この時代の層序の重要な目印となっています。さらに、アメリカ合衆国ネバダ州アロー・キャニオンで見つかる基底の国際標準模式層断面では、Declinognathodus noduliferusの出現も確認されています。これにより、バシキーリアンの位置づけや、その下の層との関連性がより明確になります。

環境の変化

後期デボン紀の大量絶滅によって、一時的に衰退した生物礁は、バシキーリアンの時代に再び活性化しました。特に、日本の山口県美祢市に分布する秋吉石灰岩では、研究が進められています。この地域では、サープコビアンとバシキーリアンの境界直後に、外肛動物などが先駆者として現れ、進化を続けました。彼らは、最初の小規模な生物礁を形成し、その後、さまざまなサンゴ類が発展し、最大数メートルに達する大規模な礁が形成されました。

ケーテテスが繁栄した時期は、バシキーリアンから前期モスコビアンまででしたが、後期モスコビアン以降は衰退が始まります。この背景には、ゴンドワナ大陸の氷床拡大下による気候寒冷化が存在し、バシキーリアン期ではまだ生物相に大きな変化が見られなかったことが示唆されています。

秋吉帯の特徴

バシキーリアンやモスコビアンの礁を支える石灰岩には、高いP2O5含有量が見られ、これが礁の形成や成長に関連している可能性があります。特に、鉱物の含有バランスから、礁の特性は続成作用や二次的な沈着の影響を受けていないとされています。このように、当時の海洋循環や栄養供給は、断続的に起こったスーパープルームに関連していると考えられています。

日本における実績

日本への影響として、山口県美祢市の秋吉帯において、バシキーリアン階からモスコビアン階にかけての石灰岩からは、微生物由来とされる微細な方解石と、紅藻類の一種ungdarellidsが共生している層が確認されています。これらの粒子は、時代を境に発展した重要な被覆性造礁生物を示すものと考えられています。このように、バシキーリアン期は、当時の地史的な変化や生物の進化において重要な位置を占めているのです。

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