バスク大学

バスク大学：バスク地方の知の灯台

バスク大学（バスク語: Euskal Herriko Unibertsitatea、スペイン語: Universidad del País Vasco）は、スペインのバスク州に拠点を置く、地域唯一の公立[[大学]]です。バスク州立大学、バスク自治州立大学とも呼ばれ、バスク地方における教育・研究の中核を担っています。

キャンパス

大学のキャンパスは、バスク州を構成する3つの県に分散しています。

ビスカヤ・キャンパス (ビスカヤ県): レイオア、ビルバオ、ポルトゥガレテ、バラカルド
ギプスコア・キャンパス (ギプスコア県): サン・セバスティアン、エイバル
アラバ・キャンパス (アラバ県): ビトリア＝ガステイス

これらのキャンパスは地域社会と密接に連携し、それぞれの地域の特性を活かした教育・研究活動を展開しています。

歴史

バスク大学の起源は、16世紀に遡ります。1540年に設立されたオニャティ大学は、神学、法学、医学などを教えましたが、1901年に閉鎖されました。その後、バスク地方における高等教育機関の必要性が高まり、ホセ・アントニオ・アギーレらの尽力により、1938年にビルバオに大学が開校しました。

しかし、スペイン内戦の影響で大学は一時閉鎖され、1968年にビルバオ大学として再開されました。1972年にはレイオアにキャンパスが完成しましたが、当時の政治状況から、キャンパスは都市部から離れた場所に設置されました。1977年にはアラバ県とギプスコア県にもキャンパスが設置され、1980年に現在のバスク大学として正式に設立されました。

特徴

バスク大学は、78の専攻と1,300以上の講座を提供し、約48,000人の学生が学んでいます。講座の43%はバスク語で提供されており、バスクの文化とアイデンティティを尊重する姿勢がうかがえます。また、学位の数と質において、スペインでも有数の重要な大学として評価されています。2009年には、キャンパス改造計画「エウスカンプス」がスペインの教育担当大臣から最高品質賞を受賞しました。

学部

バスク大学は、多岐にわたる分野の学部を擁しています。

工学・建築学部: 建築学、土木学、電子工学、海洋学など
芸術・人文学部: 芸術学、言語学、歴史学など
自然科学部: 生物学、生化学、生物工学、地理学、数学、化学など
社会科学・法学部: 政治学、経営学、文化人類学、メディア学、法学、教育学、金融学など
健康科学部: 看護学、薬学、医学、栄養学、歯学、心理学など

著名な関係者

バスク大学は、数多くの著名な研究者や卒業生を輩出しています。

ファウスト・デ・エルヤル (化学者)
マヌエル・トゥニョン (歴史学者)
フェルナンド・サバテール (哲学者・倫理学者)
ホセ・アスルメンディ (作家・哲学者・評論家・詩人)
ベルナルド・アチャーガ (作家)
フリオ・メデム (映画監督)

これらの人々は、それぞれの分野でバスク大学の名声を高めています。

アクセス

各キャンパスへのアクセスは、公共交通機関を利用するのが便利です。ビトリアキャンパスはレンフェのビトリア駅のすぐ近くにあり、レイオアキャンパスへは建設中のレイオア・トラムが接続する予定です。

その他

大学の標語である「Eman ta zabal zazu」は、「与えよ、そしてその実を広げよ」という意味で、ゲルニカの木に由来しています。また、バスク大学はスポーツ活動も盛んであり、ハンドボール部やサッカー部などが活動しています。

バスク大学は、バスク地方の文化、経済、社会の発展に貢献する重要な教育・研究機関として、今後もその役割を果たしていくことでしょう。

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