バステッド (競走馬)

バステッド (Busted)

バステッドは、1960年代にイギリスで活躍した競走馬であり、その後種牡馬としても成功した著名な存在です。彼の名前には「破産した」「壊れた」「逮捕された」といった意味があり、少しユニークな印象を与えます。

競走人生の始まり

バステッドはアイルランドのブラッド・フェザーストンハーに預けられていましたが、2歳時の初戦で思わしくない成績を残しました。連続して3戦で着外となり、期待がかかっていたものの彼の将来に対する見立ては厳しいものでした。同年のガリニュールステークスで初勝利を収めたものの、アイリッシュダービーでは期待を裏切り再び着外となってしまいます。平凡な3歳時を迎える中、去勢をして障害競走に転向させる話も浮上しましたが、運命が変わるきっかけが訪れます。

転機と成功

バステッドが転厩したのは、父クレペロを管理していたノエル・マーレスのもとでした。当初はペースメーカーとしての役割を期待されていた彼ですが、マーレスは彼の潜在能力に気づき、コロネーションステークスに出走させることにしました。このレースで驚くことに楽々と勝利を収め、陣営はそのポテンシャルを再認識しました。

続くエクリプスステークスでも連勝を果たし、さらにはキングジョージ6世＆クイーンエリザベスステークスへの挑戦が決定されました。このレースでは過去のアイリッシュダービー馬リボッコを打ち破り、見事に勝利を収めます。彼の素晴らしい走りは、観客や陣営の期待を一層高めました。

引退と種牡馬としての道

その後、バステッドはフォワ賞での勝利をもって連勝を続けますが、凱旋門賞を目指す矢先に負傷し、残念ながら引退を余儀なくされました。この年、彼はイギリス年度代表馬に選ばれるなど、その実力を証明しました。

引退後は生まれ故郷スネイルウェルスタッドで種牡馬として供用され、多くの成功を収めることになります。リーディングサイアーにはなりませんでしたが、ウィーヴァーズホール、ムトト、バスティノなど、数々の優れた競走馬を輩出しました。1988年にスネイルウェルスタッドで彼はその生涯を閉じました。

競走成績

• - 1965年: 2戦0勝
• - 1966年: 7戦1勝 (ガリニュールステークス)
• - 1967年: 4戦4勝 (キングジョージ6世＆クイーンエリザベスステークス、エクリプスステークス、コロネーションステークス、フォワ賞)

主な産駒

• - ウィーヴァーズホール: アイリッシュダービー勝利
• - ムトト: キングジョージ6世＆クイーンエリザベスダイヤモンドステークス、エクリプスステークス連覇
• - バスティノ: セントレジャーステークス、コロネーションカップ勝利
• - エリンズアイル: カリフォルニアンステークス、ハリウッド招待ハンデキャップ勝利

ブルードメアサイアーとしての活躍

バステッドは母の父としても評価され、ウインドインハーヘアといった優れた血統を持つ競走馬を輩出しました。

バステッドの功績は、ただ競走馬としての成功にとどまらず、その子孫たちにも継承され、競馬界に大きな影響を与えました。

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