バスライフ

BUS Life：バス愛好家のための専門誌

2015年5月、笠倉出版社より創刊された『BUS Life』は、バスを愛する人々のための専門誌です。不定期刊行のムック形式で発行されており、『SAKURA MOOK』シリーズの一冊として親しまれています。創刊号には「バスに乗ろう！」という力強いキャッチコピーが表紙を飾りました。

雑誌の歩みと特徴

『BUS Life』は、『バスマガジン』の編集に携わっていた編集者たちが、出版社を移籍して立ち上げた雑誌です。そのため、『バスマガジン』と類似した点も見られますが、『BUS Life』独自の特色も持ち合わせています。

特に第3号からは、バス走行音などを収録した付録CDが追加されるなど、差別化を図り、読者への付加価値を高める努力がなされました。第2号からは隔月刊となり、偶数月の25日前後に発行されていましたが、その後は事実上の休刊状態となっています。

しかし、その魅力は電子書籍化によって新たな展開を迎えました。Amazon Kindleや楽天Koboなど、複数の電子書籍サービスでバックナンバーが販売され、日本初のバス趣味雑誌の電子書籍化という快挙を成し遂げました。

『BUS Life』は、首都圏の大手事業者だけでなく、関西や九州など地方の事業者にもスポットライトを当て、全国各地のバスを幅広く紹介する姿勢が特徴的です。これは、鉄道ファンなどに比べて母数が少ないバス趣味界において、地域密着性の高いバスの特性を踏まえた、非常に重要な試みと言えるでしょう。地方の事業者を取り上げることで、より多くのバスファンを魅了し、雑誌の価値を高めることに成功しました。

雑誌の構成と内容

『BUS Life』は、様々なバスに焦点を当てた特集記事を掲載しています。主な連載コーナーとしては、「The バス会社」といったバス事業者を紹介する特集や、「バス用語辞典」、「バスコレ改造工作法」といった、バスに関する知識を深めるためのコンテンツ、「路線・ニュース・車両動向」、「移籍バスアーカイブノート」、「Time Slip　バス交通や社会の状況を眺める時空の旅　写真で見る昭和バス紀行」、「We Love your Smile!　ようこそバスガイドさん」など多様な記事が掲載され、読者の興味を引きつけました。

各号では特定のバス事業者や車両タイプを深く掘り下げた特集や、全国各地のバス路線を紹介する特集など、様々な企画が展開されました。例えば、創刊号ではバリアフリーバスを、第2号では富士ボディ5E車を、第3号では全国のバス路線を特集するなど、多岐に渡る内容が読者の支持を集めました。

バス趣味雑誌の隆盛と課題

『BUS Life』以外にも、過去には多くのバス専門誌が発行されていました。「バスメディア」、「バス・ジャパン」、「バスラマ・インターナショナル」、「バスマガジン」、「バスグラフィック」など、それぞれが独自の切り口でバスの魅力を発信していました。しかし、出版不況や愛好家の母数の少なさといった問題もあり、多くの雑誌が廃刊となっています。

バス趣味は地域密着色が強く、地元の事業者が掲載されていないと購入しないファンも少なくありません。そのため、人口の多い首都圏の大手事業者に偏りがちな傾向があります。全国の事業者、特に中小事業者まで網羅した誌面を作ることは、採算性という点で大きな課題となっています。

『BUS Life』は、こうした困難な状況の中、地方の事業者にも光を当て、電子書籍化による新たな展開を開拓した画期的な雑誌でした。その試みは、今後のバス趣味雑誌のあり方に大きな影響を与えたと言えるでしょう。

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