バス・ジャパン

バス・ジャパンとBJエディターズ

バス・ジャパン（BUS JAPAN）は、かつてBJエディターズが発行していたバス専門雑誌です。1986年に季刊誌として創刊され、1992年まで刊行されました。その後、1993年からは『バスジャパン・ハンドブックシリーズ』として、バス事業者ごとの詳細なデータや歴史をまとめた書籍を刊行し、現在に至るまで続いています。

沿革

BJエディターズの代表者である加藤佳一氏は、1963年に東京都で生まれ、東京写真専門学校（現：専門学校東京ビジュアルアーツ）を卒業しました。1986年4月に「バス・ジャパン刊行会」を設立し、季刊誌『バス・ジャパン』を創刊しました。これは、日本で2番目のバス趣味専門誌であり、同人誌的な形態ながら、バス趣味の世界で重要な役割を果たしました。

1990年4月には、編集プロダクションとしての活動を本格化させるにあたり、「BJエディターズ」へと社名を変更しました。雑誌『バス・ジャパン』は、季刊誌として12号まで発行されましたが、発行部数の伸び悩みから年刊誌へと移行し、1992年の15号をもって終刊となりました。

『ハンドブックシリーズ』への移行

1993年7月からは、ハンドブック形式の書籍『バスジャパン・ハンドブックシリーズ』の刊行を開始しました。このシリーズは、バス事業者ごとに詳細な歴史や車両リストをまとめたもので、以下のように変遷を遂げています。

初代ハンドブックシリーズ: 1993年7月から1997年3月にかけて、『バスジャパン・ハンドブックシリーズ 1 東京都交通局』から『バスジャパン・ハンドブックシリーズ 20 ジェイアールバス東北』までを刊行。
ニューハンドブックシリーズ: 1997年8月から2003年9月にかけて、誌面構成を変更し、カラーページを追加。『バスジャパン・ニューハンドブックシリーズ 21 東京都交通局』から『バスジャパン・ニューハンドブックシリーズ 40 遠州鉄道』までを刊行。
ハンドブックシリーズ R: 2004年1月から2013年4月にかけて、誌面をリニューアルし、『バスジャパン・ハンドブックシリーズ R51 西武バス』から『バスジャパン・ハンドブックシリーズ R80 関東バス』までを刊行。番号は51から付番され、41～50は欠番。
ハンドブックシリーズ S: 2013年8月から2018年12月にかけて、『バスジャパン・ハンドブックシリーズ S71 西鉄バス（高速貸切バス編）』から『バスジャパン・ハンドブックシリーズ S100 北海道中央バス』までを刊行。
ハンドブックシリーズ V: 2019年5月から刊行を開始し、『バスジャパン・ハンドブックシリーズ V101 京阪バス』以降も刊行を継続中。

社史編纂・他社への編集協力

BJエディターズは、『バス・ジャパン』の時代から、バスに対する真摯な姿勢が読者やバス事業者から高く評価されていました。その実績から、2006年には川中島バスと山梨交通の社史編集を受注し、刊行しました。また、西武バスの社史編集にも協力しています。

自社書籍の刊行以外にも、編集プロダクションとして、多数の出版社から刊行されたバス・鉄道・交通関連書籍の執筆や編集にも携わっています。

特徴

形式写真

『バスジャパン』シリーズでは、バスの様々な形態を紹介することに重点を置いています。初期のシリーズでは、1台のバスにつき2枚の写真（左前方・右後方）を掲載し、車両の全体像がわかるようにしていました。1997年以降は左前方からの写真1枚に変更されましたが、車両図鑑としてのこだわりは一貫しています。

歴史・紀行記事

歴史記事は、交通ジャーナリストの鈴木文彦氏が執筆し、バス事業者の歴史を詳しく解説しています。紀行記事は、長年にわたりレイルウェイ・ライターの種村直樹氏が担当していましたが、2006年以降はクラッセブックス編集長の富田康裕氏、2013年からは劇団「シアターキューブリック」所属の谷口礼子氏が担当しています。

乗合倶楽部

1989年の年刊化に伴い、読者投稿欄の受け皿として会員制の趣味団体「乗合倶楽部」が設立されました。しかし、大きな盛り上がりを見せることなく、2年ほどで解散しました。

既刊

バス・ジャパン

雑誌『バス・ジャパン』は、星雲社が発売し、毎月1日に発行されていました。定価は当初880円でしたが、後に1,500円に値上げされました。各号の表紙と裏表紙は、特集したバス事業者の車両写真が使用されていました。

主な連載

バス趣味入門講座: 日本バス友の会が担当した初心者向け解説記事。
たーみなる: 大規模鉄道駅のバスターミナルを紹介する記事。
メーカーのページ: 新車情報を掲載するコーナー。
Go Go タクシー: タクシーに関する記事。
私のバスの旅: 読者のバス旅行記。
乗合俱楽部: 会員制の趣味団体に関する情報。
乗合制服俱楽部: バス乗務員の制服を紹介するコーナー。
* その他: 転車台などのバス設備、電車とバスの博物館などの保存施設、バス模型・グッズ、読者投稿のバス写真やイラスト、バスに関するニュース、路線バスの終点にスポットを当てた記事など。

各号の内容

『バス・ジャパン』は、各号で様々な特集を組み、バスに関する幅広い情報を提供していました。

(各号の内容はinputに記載されているため省略)

ハンドブックシリーズ

『ハンドブックシリーズ』はB6判で、60～70ページ程度のコンパクトなサイズです。各巻は、取り上げたバス事業者の車体カラーリングを模したデザインが採用されています。『ニューハンドブックシリーズ』からは、タイトル部分がバスの方向幕を模したデザインとなり、番号が系統番号、事業者名が行先表示を模しています。

シリーズ内では、バス事業者の分社化や社名変更により、同じ事業者でも巻によって名称が異なる場合があります。また、正式な社名で表記されていない巻もあります。

(各ハンドブックシリーズのリストはinputに記載されているため省略)

BJエディターズは、バス愛好家にとって貴重な情報源であり、日本のバス文化を深く掘り下げた出版活動を続けています。

もう一度検索