バッジ・パティー

ジョン・エドワード・"バッジ"・パティーの軌跡

ジョン・エドワード・"バッジ"・パティー（1924年2月11日 - 2021年10月3日）は、アメリカのアーカンソー州フォートスミスで生まれた男子テニス選手です。彼は1950年に全仏選手権とウィンブルドン選手権での連続優勝を達成したことで広く知られています。この業績は、彼がいかに卓越した選手であったかを物語っています。

パティーの愛称「バッジ」は、彼が幼少期に兄弟から名付けられたもので、「てこでも動かない」という意味を抱えています。このことからも、彼の頑固さや根気強さが伺えます。彼は右利きで、テニス文献ではしばしば名前の略称「J. E. Patty」として記されています。

テニスキャリアの開始

1947年から1957年までの10年間、パティーはアマチュアテニス選手として世界ランキングの10位以内を維持し、特に全仏選手権での成功が目立ちました。彼は赤土と芝生の両方で優れたパフォーマンスを発揮し、全仏選手権とウィンブルドン選手権を連続で制した数少ない選手の一人です。彼の後に続いた男子選手としては、トニー・トラバートやビョルン・ボルグがいます。

幼少期と軍歴

フォートスミスで生まれた後、パティーは少年時代をロサンゼルスで過ごしました。第二次世界大戦中にはアメリカ陸軍に従軍し、ヨーロッパでの任務に派遣されましたが、戦後もヨーロッパに留まりました。この時期に彼はテニスを本格的に始め、1946年には全仏選手権で混合ダブルスの初タイトルを手にしました。

4大大会での成功

1949年、彼は全仏選手権で初めてのシングルス決勝に進出しましたが、前年優勝者のフランク・パーカーに敗れました。1950年になると、彼のキャリアは頂点を迎えました。全仏選手権では、決勝でヤロスラフ・ドロブニーを破り優勝を果たし、ウィンブルドン選手権でもフランク・セッジマンを倒して2つの大きなタイトルを手にしました。

それ以降、1951年には両大会で思うような結果が出ず、4回戦や2回戦で敗退しました。しかし、彼は1953年にウィンブルドン選手権でドロブニーとの長時間の試合を制し、注目を浴びました。この試合は4時間20分に及び、93ゲームの壮絶な戦いでした。

ダブルスでの成果

1957年、パティーはガードナー・ムロイとペアを組み、特筆すべき男子ダブルスの決勝に進出しました。この際、彼らは年齢を合わせて76歳という年長ペアでしたが、見事にウィンブルドンで優勝を果たしました。その後、全米選手権でも決勝に進出したものの、惜しくも敗れました。彼はこの年までにシングルスランキングの10位内を維持し続けました。

引退と遺産

1960年に36歳で現役を退いた後も、アマチュアトーナメントで76のシングルスタイトルを獲得しました。全米選手権でのベスト成績は1951年、1953年、1957年のベスト8で、長いキャリアの中で多くの栄光を手にしました。1977年には国際テニス殿堂入りも果たしました。

2021年10月3日、ジョン・エドワード・パティーは97歳でこの世を去りました。彼のテニスにおける功績は、今でも多くの人々に記憶されています。

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