バッファロー・メトロレール

バッファロー・メトロレール：都市を繋ぐライトレール

バッファロー・メトロレールは、アメリカ合衆国ニューヨーク州バッファローを走るライトレール（路面電車）です。一部区間は地下を通るため、地下鉄として認識されることもあります。運営は、ナイアガラ・フロンティア交通局（NFTA）が行っています。

歴史

1979年に建設が開始され、1984年5月20日にダウンタウン・バッファローに最初の路線が開通しました。この区間は路面電車として、道路を他の交通機関と共有する併用軌道でした。翌1985年5月20日には、地下鉄区間がラ・サール駅まで延伸。さらに1986年11月10日には、ニューヨーク州立大学バッファロー校の最寄り駅である大学駅まで路線が延長されました。

開業当初、併用軌道区間はトランジットモールとして自動車の乗り入れが制限されていました。しかし、ダウンタウンの交通渋滞緩和のため、一部ビジネスグループから制限解除の要望が出され、2008年以降、自動車の通行を再び可能にするプロジェクトが開始。2013年以降は一部電停の廃止を含め、トランジットモールの撤廃が進められています。

2017年1月9日には、アマースト電停から分岐してコブルストーンへ向かう支線建設計画が発表され、2018年には建設予定地の環境審査予算が承認されました。この支線が実現すれば、1986年の路線網完成以来、初の路線延伸となります。

2019年、州予算から1億ドルの拠出が決定し、大規模な改修工事を含む5カ年計画が実施されることになりました。これには、線路設備の交換や駅のリニューアルなどが含まれます。

2025年1月には、スペシャル・イベント駅の先に、車両基地内にDL&W駅が新設され、スペシャル・イベント駅を置き換える予定です。

メトロレール開業以前のバッファローには、馬車鉄道や路面ケーブルカーが存在し、1890年以降は路面電車やインターアーバンへと姿を変えましたが、1940年にバスへの置き換えが決定し、1950年7月1日に全廃されました。

運行形態

大学駅からアレン/医療キャンパス駅までは高床式プラットフォームの地下区間を走行し、ファウンテン・プラザ駅からスペシャル・イベント駅までは地上の併用軌道を走行します。スペシャル・イベント駅はイベント開催時のみ営業する臨時駅で、通常はカナルサイド駅が終点となります。

2016年11月7日時点で、平日、土曜、日曜・祝日の3種類のダイヤが存在します。イベント開催時には臨時列車も運行されます。運賃は信用乗車方式ですが、併用軌道区間は無料区間（Free Fare Zone）となっています。

車両：100形

バッファロー・メトロレールの開業時に導入された100形車両は、日本の東急車輛製造で製造されました。1983年に2両の試作車が完成し、その後27両が導入されました。最高速度は80km/hですが、併用軌道区間では24km/hに制限されます。

100形は片側3扉の両運転台車両で、通常は2両編成で運行されます。ラッシュ時には3両編成、イベント時には4両編成が組まれることもあります。扉の下には折り畳み式のステップが設置されており、低床式プラットフォームの併用軌道区間で利用されます。騒音規制に対応するため、制御方式には静音性に優れたサイリスタチョッパ制御方式が採用されています。

2006年には、車内監視カメラの設置、ブレーキシステムの改良、内装の更新、車体修繕などの大規模なリニューアルが発表されました。更新車両は、未更新の車両との連結はできません。改造はアンサルドブレーダによって行われました。当初はスケネクタディのスーパースチール工場で実施予定でしたが、工場閉鎖のため、ホーネルのグレイ機械工場で実施されることになりました。この影響で、プロジェクトは4年遅延し、費用も4,000万ドルから4,500万ドルに増加しました。最初の更新車（114、123）が運転を開始したのは2012年3月10日です。

その他

1990年には、大クリーブランド地域交通局からPCCカーが12両譲渡され、当時計画されていたトナウォンダ方面への支線に導入予定でしたが、支線計画が中止となり、車両は2003年にブルックリン歴史鉄道協会へ再譲渡されました。

バッファロー・メトロレールは、バッファローの街の発展とともに、これからも市民の足として重要な役割を果たし続けるでしょう。

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