バラエティクラブ

バラエティクラブ：南アフリカが生んだ世界的な競走馬

2008年9月8日生まれのバラエティクラブは、南アフリカ共和国を代表する競走馬として名を馳せました。栗毛に三本の白い脚、額には星形の斑点を持つ美しい馬は、数々の栄光を手にし、世界中の競馬ファンを魅了しました。

華麗なる南アフリカ時代

バラエティクラブは、南アフリカのボーモントスタッドで誕生しました。父はアメリカでは目立たない活躍でしたが、ヨーロッパへ渡りアベイ・ド・ロンシャン賞を制したヴァー。母は南アフリカオークス優勝馬ノヴェナの孫にあたるラマシヌという、優れた血統を受け継いでいました。さらに母系をたどれば、凱旋門賞優勝馬クラポムの母、ポンペアに繋がります。

馬主は、家具小売大手の経営者であるマーカス・ジュースツ氏と妻のイングリッド氏。マーカス氏は、ヨハネスブルグで製造した家具をヨーロッパへ輸出するビジネスで成功を収め、経済誌フォーブスによって「南アフリカで一番長く飛行機に乗っている人物」と称されるほど、南アフリカとヨーロッパを頻繁に往復していました。調教師はジョーイ・ラムデン氏、騎手はアントン・マーカス騎手が全レースに騎乗しました。

2歳時はランガーマンステークス優勝、チャンピオンジュヴナイルカップで2着と才能の片鱗を見せました。3歳になると、ケープギニーを制覇、クイーンズプレートで2着、ライジングサンゴールドチャレンジでは11年ぶりの3歳馬優勝を果たします。しかし、このレースで運動誘発性肺出血を発症するアクシデントも経験しました。4歳時にはクイーンズプレートを制し、ライジングサンゴールドチャレンジでも連勝を続けました。これらの活躍により、2011/2012年と2012/2013年の南アフリカ年度代表馬に輝きました。

世界への挑戦と栄光

南アフリカでの活躍後、バラエティクラブは国際舞台に挑戦します。アフリカ馬疫の感染リスクを伴う、非常に複雑で長期間にわたる検疫を乗り越え、ドバイと香港へ遠征しました。

UAEでのレースでは、ファイアブレイクステークスを圧勝。ブルジュナハールでは惜しくも2着となりましたが、続くゴドルフィンマイルでは、南アフリカ出身のライバル、ソフトフォーリングレインを1馬身差で退け、優勝を飾りました。この勝利は、南アフリカの競馬界にとって大きな喜びとなりました。

その後、マイク・デコック厩舎に移籍し、香港チャンピオンズマイルへ挑戦。エイブルフレンド、ゴールドファンといった強豪を相手に、見事な逃げ切り勝ちを収めました。香港での勝利は南アフリカ競馬界に大きな衝撃を与え、その偉業は称賛されました。

しかし、ヨーロッパ遠征を控えた際に気性の問題が顕著になり、ロンシャン競馬場のフォレ賞への挑戦は断念。2014年秋、競走馬としての引退を発表し、南アフリカで種牡馬となりました。

数々の受賞と評価

バラエティクラブは、エクウス賞で最優秀3歳牡馬、最優秀中距離馬、最優秀古牡馬、最優秀マイラーを受賞し、2度の南アフリカ年度代表馬に選出されています。ワールド・サラブレッド・ランキングでも、2014年には世界3位タイにランクインするなど、世界的な評価を獲得しました。

バラエティクラブの生涯は、類まれな才能と努力、そして関係者たちの尽力によって彩られた、まさに伝説的なものとなりました。南アフリカ競馬史に燦然と輝く一頭として、その名は後世に語り継がれていくでしょう。

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