バラク 8 (ミサイル)

バラク 8: イスラエルとインドの共同開発防空ミサイル

バラク 8（英: Barak 8）は、イスラエルとインドが協力して開発した艦艇および陸上用の防空ミサイルです。このミサイルシステムは、現代の防空ニーズに応えるために設計されており、様々なバリエーションが存在します。特に、バラク MRというダウンサイジングモデルや、長射程型のバラク 8ERなどが開発されており、進化を続けています。

来歴

バラク 8の起源は、2000年頃に遡ります。イスラエルは当初、シンガポール海軍に対し、長射程型バラクを提案しましたが、この時は実際の採用には至りませんでした。しかし、その後もイスラエルは自国の防空能力を強化するための研究を続け、特にサール5型コルベットの改良型に向けた防空システムの開発が進められてきました。

2006年には、インドとの共同開発が合意され、インドの防空ニーズに応じた実戦的なシステムとしてバラク 8が進化しました。2009年には、その存在が公式に発表され、以後、複数の国で採用されることになりました。

設計

バラク 8の設計は非常に高度で、特にそのミサイル本体の開発はイスラエルのラファエル社が担当しています。このミサイルは、同社のダービーと外見が似ているものの、異なる性能特性を持っています。ロケットモーターは2パルス式を採用しており、最大でマッハ2に達する速度を持っています。発射後の進路の調整は、推力偏向によって行われるため、素早い対応が可能です。

バラク 8の初期モデルの射程は70 kmですが、その後の改良により100 kmに延長され、さらに長射程型のバラク 8ERでは射程が150 kmにまで及ぶようになりました。誘導方式については、中途航程時には指令誘導、終末航程にはアクティブ・レーダー・ホーミング（ARH）または赤外線画像誘導（IIR）を使用しています。中間指令誘導には、EL/M-2248 MF-STAR|EL_M-2248 MF-STARという多機能レーダーが使用されます。

運用者と搭載艦艇

バラク 8は、数国において運用されています。イスラエル海軍では、サール5型コルベットや最新のサール6型コルベットに搭載されています。アゼルバイジャン空軍も地対空型を保有しており、数量は不明ですが、運用が進んでいると言われています。

インド海軍は、カモルタ級コルベットやコルカタ級駆逐艦などの多くの艦艇にバラク 8を搭載しています。特にコルカタ級駆逐艦には64セルの垂直発射装置が装備されており、インド空軍でも地対空型のシステムが導入されています。2024年には、8つのシステムが同軍で保有されているとされています。

バラク 8は、現代戦における防空システムのひとつとして、極めて重要な役割を果たし続けています。今後もさらなる技術革新と発展が期待されています。

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