カモルタ級コルベット

カモルタ級コルベット：インド海軍の対潜戦の要

インド海軍は、1980年代から1990年代にかけて、ミサイル攻撃能力を重視したコルベットを建造していました。しかし、これらの艦艇は対潜能力が不足していました。このため、2003年、インド海軍は対潜戦能力を強化した新型コルベットの建造に着手しました。それが、カモルタ級コルベットです。

設計と特徴

カモルタ級コルベットの設計は、インド海軍の設計総局とガーデン・リーチ造船所の共同作業によって行われました。船型は中央船楼型で、ステルス性を考慮した艦容となっています。イスラエル海軍のサール5型コルベットにも似た印象を受けます。

ステルス性はレーダー反射断面積の削減だけでなく、磁気的シグネチャーや水中放射雑音の低減にも配慮されています。これは、対潜戦能力の向上に大きく貢献しています。さらに、NBC（核・生物・化学）兵器に対する防御措置も講じられています。

推進システムにはCODAD方式を採用し、SEMTピルスティク12PA6STCディーゼルエンジン4基で可変ピッチ・プロペラ2軸を駆動します。

兵装と装備

カモルタ級コルベットは、インド海軍のコルベットとしては初めて艦対空ミサイルであるバラクを搭載しました。8セルのVLSを2基搭載しています。対潜兵器としては、RBU-6000対潜ロケット砲と長魚雷発射管を装備しています。これは、タルワー級フリゲートやシヴァリク級フリゲートと同様の装備です。艦砲はオート・メラーラ社製のスーパーラピッド砲で、ステルス性を考慮したシールドが備えられています。

航空運用能力も強化されており、艦載ヘリコプター1機を収納できるハンガーが搭載されています。これは、以前のコルベットがヘリコプター甲板のみを備えていたことと大きく異なります。

国産化

カモルタ級コルベットは、高い国産化率を達成しています。約90％の部品がインド国内で製造されています。これは、インドの防衛産業の技術力向上に大きく貢献しています。

国際協調

2023年12月には、カモルタ級コルベットの1隻が日本の横須賀基地を訪問し、インド海軍記念日を祝いました。その後、日本の補給艦「とわだ」と合同訓練を実施しました。これは、インド海軍と日本の海上自衛隊の協調関係の深まりを示しています。

まとめ

カモルタ級コルベットは、対潜戦能力を重視した設計、高いステルス性、充実した兵装、そして高い国産化率を特徴とする、インド海軍の重要な戦力です。最新の技術と国際協調を組み合わせ、インドの海洋防衛に大きく貢献しています。今後のインド海軍の活動において、カモルタ級コルベットの役割はますます重要になるでしょう。

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