バルトゥン

バルトゥン（Bartın）

バルトゥンは、トルコ北部の都市であり、バルトゥン県の県都です。1991年にバルトゥン県が設立されるまでは、ゾングルダク県に属していました。人口は約4万8000人で、黒海からバルトゥン川を14kmほど遡った場所に位置しています。このバルトゥン川は、トルコ国内で唯一、大型船が航行可能な河川として知られています。

歴史

バルトゥンの市街の歴史は、紀元前1200年頃のカスカ人の到来にまで遡ります。その後、ヒッタイト、フリギア、キンメリア、リディア、ペルシア、マケドニアといった様々な勢力の支配を受けました。古代ギリシア時代には、現在のバルトゥン川であるパルテニオス川にちなんで、パルテニオス（Parthenios）と呼ばれていました。

ローマ帝国の東西分裂後は、東ローマ帝国（ビザンティン帝国）の支配下に入りましたが、11世紀から13世紀にかけてはセルジューク朝の支配を受けました。1392年には、オスマン帝国のバヤズィト1世によって征服され、オスマン帝国の領土となりました。

名所

バルトゥンは、イギリスのノリッジに本部を置く「歴史ある町および地域の欧州協会」(EAHTR) に加盟しており、歴史的な景観が保護されています。主な観光地としては、城や教会、ベデステン（屋内市場）などがあります。また、フォーラム（公共広場）、議会、栄誉の道、劇場、アクロポリス、ネクロポリスといった古代の遺産が地中に眠っているとされています。

市街の木造住宅の様式には、タンジマート（オスマン帝国末期の改革）による芸術運動の影響が見られ、独特の景観を形成しています。

気候

バルトゥンの気候は、西岸海洋性気候 (Cfb) に区分され、年間を通して気温が高く、降水量も比較的多いのが特徴です。夏は湿度が高く、じめじめとしており、7月と8月の平均気温は約21度です。冬は比較的温暖で、1月と2月の平均気温は約6度ですが、湿度が高いため体感温度は低く感じられます。

降水量は秋から初冬にかけて多く、春は比較的少なくなります。雪は12月から3月にかけて降ることがあります。

トルコ沿岸の黒海の海水温は、年間を通して8度から20度の間で変動します。

文化

バルトゥンでは、春になるといちご祭りが開催され、多くの人々で賑わいます。また、海辺のビーチの質も良く、海水浴を楽しむことができます。

バルトゥンは、豊かな歴史と文化、そして美しい自然に恵まれた魅力的な都市です。

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