バンクーバー (フリゲート)

HMCSバンクーバー（HMCS Vancouver, FFH 331）

HMCSバンクーバーは、カナダ海軍のフリゲートで、ハリファックス級の一艦です。この艦は、カナダ海軍のフリゲート計画に基づいて建造された二番艦で、1993年に正式に就役しました。艦名はブリティッシュコロンビア州のバンクーバー島にあるエスクィマルト基地に由来し、ここを母港としています。バンクーバーはハリファックス級フリゲートの中で初めて太平洋に配備された艦艇でもあります。

艦歴と運用

バンクーバーは2001年以降、アメリカ同時多発テロ事件以降の中東におけるカナダ海軍の反テロ作戦の中核的存在として活躍してきました。アメリカ海軍と相互運用性を持つことで、共同作戦が円滑に行えるのが特徴です。過去の艦に引き続き、戦間期に建造された駆逐艦や第二次世界大戦中のフラワー級コルベットに続く、カナダ海軍における「バンクーバー」という名前の艦艇の三代目でもあります。

艦は1988年にニューブランズウィック州のセントジョン造船所で起工し、1989年に進水、その後1993年8月に就役しました。数多くの任務に従事しており、特に2001年にはアラビア海へ展開し、不審船の確認や密輸を防ぐための臨検を行いました。この作戦中には、漂流していたダウ船に出会い、乗員の応急処置を行い救援しました。

さらに、2011年にはリビア内戦におけるNATOの作戦にも参加するため出港。出港中に小規模な火災が発生しましたが、迅速に対処され、任務に影響はありませんでした。

艦は2013年から2014年にかけて中間寿命改修を行い、新しい技術やシステムに更新されました。これにより、戦闘能力や運用効率は向上しました。 例えば、新型指令管制システムや複合レーダーが導入され、兵装もアップデートされています。

その後、2015年にはアメリカ海軍との共同演習に参加し、確かな実行力を証明しました。2016年には地上攻撃能力を強化するため、ハープーンミサイルの発射試験も行われました。

最近では、2022年に米海軍主催の多国間共同訓練に参加し、日米豪韓との共同訓練を重ねています。また、国連安保理決議に基づく監視任務も行い、違法な海上活動の監視を担当しています。

現在の状況

2023年には日米加の共同訓練に参加し続けており、自衛隊との協力も進んでいます。日本周辺海域での監視活動も行い、北朝鮮の違法活動に対抗する役割を果たしています。これにより、バンクーバーはカナダ海軍の戦略的重要性を持ち続け、国際的な安全保障にも寄与しています。

バンクーバーの歴史と活躍は、カナダ海軍の信頼の象徴であり、今後もその任務が続くことでしょう。

もう一度検索